京都の街を歩きながら、いつものようにシャッターを切る。
特別な瞬間じゃなくていい。
光が少し傾いた路地や、誰もいない交差点。
そういう何気ない風景に、惹かれることが多い。
撮れた写真を見返すと、悪くないとは思う。
でも、どこか物足りなさがある。
“その場にあった空気”が、少しだけ抜け落ちている気がした。
もう少しだけ、空気の温度が伝わればいいのに。
もう少しだけ、この静けさが深く残ればいいのに。
そんな感覚が、ずっと残っていた。
普段はLightroomで仕上げているけど、
どうしても、あと一歩だけ届かない領域がある。
「これでいい」と終わらせたくない感覚。
「もう少しで表現できる気がする」
その違和感みたいなものが、今回のきっかけだった。
目次
「Memories of Dubai」との出会い
そんな違和感を抱えたまま、
いつものように写真を触っていたときに見つけたのが、
Luminar Neoのプリセットパッケージ「Memories of Dubai」だった。
暖かい光、少し強めのコントラスト、
どこか映画のワンシーンのような色の深さ。
派手すぎるわけじゃないのに、確実に空気が変わる。
その雰囲気を見たとき、直感的に思った。
「これは、街の風景に合うかもしれない」
特別な場所じゃなくていい。
いつも歩いている京都の街に、そのまま当ててみたくなった。
京都の街で、10種類のプリセットを試してみた
今回は、同じ写真に対して10種類のプリセットを順番に当ててみた。

元となる写真。撮影 : 写真家リョウ
細かい調整はしていない。
あくまで、“そのまま使ったらどう見えるのか”を確かめたかったからだ。
ひとつひとつ見ていくと、
同じ風景でも受ける印象が少しずつ変わっていく。
少し暖かくなるもの。
コントラストが強くなり、輪郭が際立つもの。
光に深みが出て、映画のワンシーンのように感じるもの。
どれも違っていて、どれも間違いではない。
ただ、その中でも「残るもの」と「通り過ぎるもの」があった。
『Memories of Dubai』の10種類の世界
最初に試したのは『From Above(フローム アバブ)』。

シネマティックな質感を好む僕には、
この質感は自分らしい質感に近いと感じた。
次に『Atrium(アトリウム)』。

色を取り除いたモノクロ系のプリセット。
古びた映画の質感にしたいときは、
このプリセットは効果を発揮するだろう。
次は『Blue Hour(ブルー アワー)』

このプリセットは、全体的に暗めになる。
これを適用する場合は、
補正で明るさを上げると映えそうなのでキープ。
次は『Fireworks(ファイヤーワークス)』。

全体的に彩度が上がるので、光系、花火には使えそうだ。
次に『Night(ナイト)』。

仕上がりは『Blue Hour』と似ているが、
おそらく夜景に使うと効果を発揮するだろう。
次に『Architecture(アーキテクチャ)』

プリセット名の意味は『建築』。
その名の通り、建造物がメインになる写真だと、
美しい輪郭が浮き出て、より綺麗に見える印象だ。
次は『Daytime(デイタイム)』。

時間の流れをどう表現しようか悩むことがある。
このプリセットは、
空気の流れを表現している印象を受けた。
とくに、昼間の街の様子を
シネマティックに写し出してくれるだろう。
一番僕の写真に近いのかもしれない。
次に『Fountain(ファウンテン)』。

このプリセットの意味は「噴水」。
名前の通り、水らしさの写真に有効だろう。
雨の日のアスファッルト、
公園の噴水、
川の流れなど。
晴れの日よりも、湿度を感じる世界がお似合いだ。
次は『Haze(ヘイズ)』。

少し「もや」がかかった表現ができるプリセット。
過去の思い出や、回想を表現すると良さそうだ。
最後に『Sunset(サンセット)』。

これは、晴れの日風の質感を表現したプリセット。
彩度を上げ、白を持ち上げることで、
太陽の反射光を、ほんのりと自然に作り出す。
SNSに投稿する写真に好まれそうなプリセットだ。
こうやって10種類のプリセットを見てみると、
写真表現が広がるのが見えて楽しくなってくる。
その中で見つけた「自分らしさ」
ただ全部が良い、というわけではない。
むしろ、少し強すぎると感じるものもあったし、
自分の感覚とは少しズレるものもあった。
でも、その中でひとつだけ、自然に残るプリセットがあった。
今回のプリセットでは、『Daytime(デイタイム)』が近い。

静けさを壊さずに、ほんの少しだけドラマを足してくれる。
主張しすぎないのに、確実に印象が深くなる。
それは、自分が大切にしている「雨の雫」の世界観に、どこか近い質感だった。
派手に変えるのではなく、
“元からそこにあった空気”を、少しだけ引き出すような感覚。
そのバランスが、自分にはしっくりきた。
試しに東京の夜の街を撮った写真に、
Blue Hourを当ててみると、
忙しない街に静けさが一段と深くなった。
質感の作り方については、
モノクロ表現の記事でも少し触れている。
実際に使ってわかったこと
いくつかの写真に当てていく中で、
このプリセットの特徴が見えてきた。
良かった点
街の風景との相性はかなりいい。
光にほんのりとした温度が乗って、空気感が変わる。
何気なく撮った一枚でも、
少しだけ“作品”に近づく感覚がある。
気になった点
一方で、人物に使うと少し違和感が出ることもあった。
肌の色や光の当たり方が、
やや強調されすぎる場面がある。
また、プリセットによっては色味が強く出ることもあるので、
そのまま使うよりも、少しだけ調整した方が良い。
万能ではないけれど、
ハマる場面ではしっかりハマる。
そんな印象だった。
どんな人に向いているか
このプリセットは、
誰にでも合うわけではないと思う。
こんな人にはしっくりくるはず。
・日常の中にある空気感を大切にしたい人
・Lightroomだけでは少し物足りなさを感じている人
写真を大きく変えるというよりも、
“もう一歩だけ深くする”ためのツールとして使うのが理想だ。
Lightroomで仕上げていて感じる
「あと一歩」の感覚については、別の記事でも触れています。
今回使用したLuminar Neoについて、
実際の操作感や「どこまでできるのか」は、別の記事でまとめている。
まとめ|日常は、少しの調整で変わる
特別な場所に行かなくてもいい。
いつも歩いている街でも、
光と質感が少し変わるだけで、写真の見え方は大きく変わる。
『Memories of Dubai』は、
その変化に気づかせてくれるきっかけのひとつだった。
Luminar Neoの『Xメンバーシップ』には、
多くのプリセットが用意されている。
ただの風景だったはずの一枚が、
少しだけ、記憶に残るものになる。
その感覚を、今回あらためて実感した。
タイミングによってはセールが行われていることもあるので、
最新の情報は以下の記事でまとめています。



