とても不安をあおるようなタイトルになってしまったが、写真家をしていると「これからの写真業界は厳しくなるから見切りをつけた方が良いよ」と言われる事がある。しかも、写真業界に関わった事がない人ほどそういった反対意見を言ってくる。
わからなくもないが、ただ写真を撮るだけが写真業ではない。
だけど、それを説明するには『ブランディング』や『マーケティング』と言った専門知識から説明する必要があり、少しでもその専門用語を話そうとすると、決まって返ってくる言葉が「そんな専門的な事はわからない」である。
だから今回は、難しい専門用語を使わずに、これからの写真業界で生き残っていくための方法や写真業界の価値について話してみようと思う。
写真業界が厳しいと思われている原因
まず避けては通れないのが「写真業界が厳しい」と言われる原因だが、その原因としてあげられるのが、カメラ機能の進化や一眼レフを持ちやすくなったことだろう。
僕が子供の頃は、『写るんです』と言う簡易的なカメラしか購入できず、プロが使う一眼レフは高価すぎて一握りの大人しか手が出せないものだった。
あらから約30年が経ち、今では高性能のカメラが搭載されたスマホを持つのが日常的になったなんて。
一昔前にカメラ付き携帯が発売され、さらにスマートフォンが誕生し、SNSに写真を投稿して写真センスを自慢し合う日常へと変わっていく。
それを考えると、誰でも綺麗な写真を撮ることができる時代になり、わざわざ費用をかけて写真家へ写真撮影の依頼をする需要がないと思うのだろう。
今では高性能な一眼レフをレンタルできるので、極端に言えば、一眼レフに不慣れな人でも簡単に高性能のカメラで撮ることができる。
これが写真家の未来が見えないと思われている原因の一つである。
写真家は撮るだけじゃない
高性能なカメラが搭載されたスマホ、格安で持つことができる一眼レフレンタルサービス、中古カメラなど、今の時代は一眼レフを待つ方法がいくらでもある。
だからと言って、写真家の未来がなくなったわけではない。
誰でも綺麗な写真を撮ることができる一方で、写真家として重要視されている要素が『独自性』であり、その自分らしい写真をどうブランディングするかである。
つまり、ネットで調べただけのスキルでは補えない部分。それが一般の人とプロの差である。
ただ綺麗な写真を求めるなら、SNSで探せばいくらでも綺麗に撮ってくれる人はいる。運が良ければ『相互無償』で撮ってくれる人に出会えるかもしれない。
だけど、せっかく綺麗に撮った写真が飾られずにスマホの画像に埋もれてしまう事になってもいいのだろうか?
価値のある写真とは、長期的に飾りたくなるような写真ではないだろうか?
唯一、家族が集まって会話するリビングに飾れば、その写真を見ながらその時の思い出話もできるだろう。
夫婦で喧嘩をしたときも、その写真を見れば喧嘩の原因が些細なものに思えるかもしれない。
本当の写真の価値とは、心が揺れ動かされる写真で、そのような写真を撮ることができるのは、独自性のある世界観を貫いてきた写真家にしか撮ることができないもの。
高性能カメラでは撮ることができない、独自の世界観だろう。
結論:写真業は衰退しない
ここまで話してきた内容は、もちろん僕の勝手な見解だが、あながち間違いではないだろその根拠に、日本でも活躍されている写真家は存在していて、ただ綺麗な写真を撮っているだけではなく、独自性のある世界観を撮り続けている。
その写真家たちは、写真を撮る事だけが仕事ではなく、講座を開いたり個展を開いて人を集める事に成功している。
それを考えてみても、独自性のある写真を撮る人は影響力がある。
したがって、『写真業界は衰退しないもので、独自性をだし、心が揺さぶられる写真を撮ることで、さらに需要が高まっていく』と言うことになるだろう。
写真業だけではなく、デザイン、アート業界など、クリエイティブなら関わる事に共通する部分となるだろう。
今のうちに、独自性のある作品作りを意識してほしい。
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