ポートレート撮影 | モデルに喜ばれるオシャレな人物写真はこれ!

ポートレート撮影をしていて「いつもありきたりな写真になってしまう」と悩んだことはないだろうか?

写真が完成してモデルの反応がイマイチだと、写真家として自信をなくしてしまう

「いつもありきたり」だと感じたら、映画のワンシーンのようなシネマティックな世界をイメージしてみてはいかがだろうか。

モデルからしても、映画の主人公になったような写真を撮ってもらえると、これまでに味わったことがない世界なので、新鮮で喜んでもらえるだろう。

今回は、一眼レフでモデルに喜ばれるオシャレな写真について話したいと思う。

これからもっといろいろなモデルとポートレート撮影をしようと考えているなら、今回の記事を参考に、オシャレな写真を撮ってみてほしい。

オシャレな写真は心が惹きつけられる写真

「オシャレな写真って言われても幅が広すぎてイメージできない」

そう思っているなら1つ提案させてもらおう。

僕が思うオシャレな写真とは、心が惹きつけられる写真

例えば、映画のワンシーンのように、モデルが映画の主役になったようなシネマティックな写真

シネマティック写真の特徴は、レトロ感があって古いフィルム写真のような質感、明るく綺麗と言うより、ほんのり暗くコントラストが低いところ。

実は僕もシネマティックな写真を撮りうことがあるので、参考までに何点か紹介しよう。

まずは、こちらの写真。


モデル : 福満香織さん

冬の奈良、平城宮跡歴史公園のススキが広がるロケ地で、ポートレート撮影をした時の写真。

背景に広がるススキに夕日のオレンジが照らされて、モデルさんが一瞬見せた「和み」の表情を撮った写真。

次は、こちらの写真。


モデル : Renaさん

こちらの写真のロケ地も奈良の平城宮跡だが、季節は春の後半頃だった。

冬とは違って風が心地よく、あたり一面ススキも緑色した草とのコントラストのバランスが良かった。

この時のモデルさんは、少女のような雰囲気をもっていて、周りのススキの風景にとても溶け込んでいた。

まるで、スタジオジブリにでてきそうな世界を演出してくれた。

この2枚の写真のように、まるで映画のワンシーンみたいに、その先のストーリーが想像できそうな写真。

それが「シネマティック写真」である。

一眼レフでオシャレに撮りたいなら「Mモード」

一眼レフでオシャレな写真を撮るためには、撮影モードを「マニュアルモード(M)」で撮れるようになることをオススメする。

なぜなら「自動モード(P)、絞り優先(Av)、シャッタースピード優先(Tv)」は、カメラに頼った撮影になってしまうからだ。

マニュアルモード(M)で自分なりの設定を見つけることで、他のフォトグラファーとの差別化をすることができる。

そこで、自分らしい写真を撮るために意識しておきたいことが「光の使い方」と「構図」だ。

光と影を意識する

初めてポートレート撮影をする時、光をどの角度から当てればいいのか悩んでしまうことがある。

光を当てる基準は、写真家から見て「逆光」「半逆光」がオシャレな写真になりやすい。

逆光

「逆光」は、写真家の正面から太陽の光が当たる位置。

逆光で撮ると「エモい写真」になりやすく、モデルの後ろから太陽の光が当たって、シルエットや心が揺さぶられる写真にしたいときに効果的だ。


モデル : 海国りんさん

半逆行

「半逆光」は、写真家の斜め45°正面から太陽の光が当たる位置。

モデルの顔に自然に太陽の光が柔らかく当たるため、この写真もまた「エモい写真」になりやすい。


モデル : Tomomiさん

順光

ちなみに「順光」は、写真家の後ろから太陽の光が当たる位置。

モデルからすれば、正面から太陽の光が当たるため、まぶしそうな顔になったり、顔が白とびしやすくなるので、ポートレート撮影をするときは直接太陽を見ないような工夫が必要だ。


モデル : itoiさん

モデルに喜んでもらうオシャレな写真を撮りたいときは、できるだけ「逆光」「半逆光」を意識して撮ってみてほしい。

F値は開放で撮る

オシャレな写真を撮るなら、F値を開放(F1.4~2.8を目安)にして撮るのが効果的

F値とは「絞り」のことで、カメラに入ってくる光の量を調整するもの。

F値の数字を小さくすることを「開放」と言い、カメラに入ってくる光の量が多く、背景に「ボケ感」を出すことができる。

主に、人物撮影(ポートレート撮影)に向いている。

F値の数字を大きくすれば「絞り」と言い、カメラに入ってくる光の量が少なく、背景に「ボケ感」がなくなる。

主に、風景写真や商業写真に向いている。

モデルに喜んでもらう写真を撮るためには、F値を「開放」にして、モデルが際立つように背景にボケ感を作る方が喜ばれやすい。

ただし、何でもかんでも背景にボケ感を作ればいいと言うものではなく、時には背景にボケ感を作らずモデルと背景を馴染ませた方が良い場合もある。

一眼レフの露出を上げる

一眼レフの露出とは、被写体の明るさを調整するもの。

一眼レフで撮影する場合「ISO感度」「シャッタースピード」「F値」の組み合わせで、自分がイメージした写真を撮る事になる。

こうして撮影した写真を確認した時に、

「周りの明るさはイメージ通りなんだけどモデルが暗いなぁ」

と感じた時に、露出を少し上げて明るくして撮ることがある。

こうやって、露出を上げて適正な明るさに補正することを『露出補正』と言う。

露出補正を上手く使えば、モデルの顔を明るくすることができ、オシャレな美肌効果のある写真にすることができる。

僕の場合は、LightroomやPhotoshopでレタッチすることが多いので、撮影する時は、敢えて露出を下げて暗めに撮影し、レタッチで全体の明るさを調整する。

僕の写真は、映画の質感のように明暗(コントラスト)の差が少なく、レトロ感のある写真をイメージしている。

なので、撮影時に周りの風景とモデルの明るさに差を出してしまうと、レタッチをする際に、モデルの顔が白飛びしたり、周りの風景が黒つぶれしないように、撮影する時の露出を下げ気味で暗めに撮っている。

ポージングにこだわりすぎない

ポージングにこだわりすぎると、自由度が低い面白味のない写真になってしまう。

ポートレート撮影を受けてくれるモデルの中には、写真家のイメージした世界観に合わせてポージングを練習している人もいるかもしれないが、全てがポージングされた写真だと、メリハリがなくなって、よくある定番の写真にしかならない。

もちろんモデルもポージングを試す場としてポートレートを受けている人もいるが、写真家にとってはモデルの自然な表情を、いかにアートに撮るかを練習する場でもある。

商業写真ならポージングにこだわる必要もあるだろう。

だけど作品撮りの場合は、ポージングにこだわりすぎず自然体でドラマチックに撮ってあげた方がモデルに喜んでもらえる。

構図を意識する

オシャレに見える構図を意識することも、喜ばれる写真を撮影する1つの方法だ。

当公式サイトの中で何度も構図について話しているが、一眼レフでもスマホでも構図を意識することはとても重要なことだと思っている。

構図についてくわしく書いた記事があるので、下記をも参考に読んでほしい。

ここで簡単に説明すると「三分割構図」を意識して撮ると、初心者でもそれなりに魅力的な写真を撮ることができる。

「三分割構図」とは、縦横均等に分割して線を引き、その交わる点や線に被写体を配置する構図。

この「三分割構図」を意識することで、オシャレな写真を撮ることができる。

一眼レフでシネマティックに撮る方法

シネマチック写真家リョウの作品

オシャレな写真をさらに魅力的にする『シネマティック写真』について話したいと思う。

シネマティック写真とは

シネマチック写真とは、映画のワンシーンのようにストーリーを感じる写真のこと。

「写真にストーリーを感じる?」

と思ったかもしれないが、映像のように動かすと言う意味ではない。

その写真を見て、制作している様子やその写真を撮影した写真家の想いを想像する、つまり写真の見えない部分にあるストーリーを感じると言うことである。

実はこの「ストーリーを感じること」はとても重要で、企業から写真撮影の依頼を受けた時、企業の先にいるユーザーが、企業のサービスや商品を使用しているイメージを想像させて、購入に繋げる大切な要素である。

くわしくは下記の記事で解説しているので、興味があればぜひ読んでほしい。

と言うことで、ストーリーを感じる写真を撮ることで、さらに写真の魅力を上げることができる。

自然な表情を撮る

シネマティックな写真を撮る時は、できるだけモデルの自然な表情を撮るようにしよう。

先ほどの『ポージングにこだわりすぎない』の項目でも話したように、ポージングにこだわりすぎると違和感のある写真になってしまう。

できるだけモデルの自然な表情を撮るために、写真家が遊び心を出すことも必要だ。

遊び心と言ってもモデルが嫌がる角度から撮影したり、無理矢理アップで撮ったりするのではなく、話しながら撮るとか、わざとカメラを振って面白いボカし写真を撮ったりだとか。

こうして、息抜きを撮影の合間に入れることでモデルの自然な表情を撮ることができるだろう。

撮影する時間帯を意識する

屋外で撮影する場合は、撮影する時間帯を意識する。

より魅力的な写真を撮るなら、早朝(6:00〜10:00)、夕方以降(16:00〜19:00)が幻想的な写真を撮ることができる。

早朝(6:00〜10:00)は、時期によっては薄い霧が発生していることもあり、出はじめた太陽の光が霧に反射して幻想的な写真を撮ることができる。


撮影 : アート写真家リョウ

夕方以降(16:00〜19:00)になると、夕陽のオレンジ色がとても幻想的でススキが広がる草原で撮れば、スタジオジブリのような世界を撮ることもできる。

モデル レナ ポートレート

昼間の時間帯は難しい

昼間のポートレート撮影は、太陽が真上にくるためモデルの顔に影ができやすく、レタッチをする時に頭のてっぺんが白飛びする可能性が高く、ポートレートや作品撮りにはオススメできない。

シネマチックな写真を撮るなら、日が沈みかける夕方(16:00〜)がいいだろう。

朝が弱いモデルもいるので、そこはお互いのイメージを話し合って決めた方がいい。

レタッチでさらに魅力を上げる

ここまで魅力的な写真を撮る方法について話してきたが、最終的にはレタッチをしてモデルに納品することが多い。

中には「撮って出し※」を希望するモデルもいますが、その場合も、レタッチした写真も一緒に添えて納品してあげると喜んでもらえる。

※『撮って出し』とは、撮影した写真データをレタッチをせずに、撮影したままの写真で納品すること。

美肌にレタッチ

撮影した写真の魅力を上げるために、美肌補正することは当たり前だが、美肌補正をやりすぎると逆効果になってしまうので気をつけよう。

美肌補正については、こちらの記事が参考になるだろう。

映画の質感にする

写真に魅力を出す方法として、写真全体を映画の質感に加工するのも効果的。

映画の質感には、長時間見ても疲れないと言った効果があり、それを写真に取り入れることで飾りたくなるオシャレな写真にすることができる。

モノクロを入れる

全てがカラーでもいいが、数枚ほどモノクロ写真を入れてあげるのも、モデルに喜んでもらうことができる。

モノクロ写真は、部屋にも飾りたくなってくるほどオシャレな写真になる。

このように、ちょっとしたプレゼントを添えてあげると、

「またこの写真家さんに撮ってもらいたい」

と信頼に繋がり、モデル仲間にも話題となって、そこから写真家の知名度が上がっていく。

モノクロ写真にレタッチする方法について書いた記事もあるので、参考に読んでみてほしい。

最後に

今回は、一眼レフでオシャレに喜ばれる写真の撮り方と、さらに魅力を上げるシネマティック写真の撮り方について話してきた。

光の使い方や構図を意識するだけでも、上級者に一歩近づいた写真を撮ることができるので、ポートレート写真を撮るなら、今回話したことを意識して撮影に挑んでほしい。

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