撮影備忘録1 | ススキで撮るおしゃれで幻想的な人物写真

秋になると、幻想的に広がるススキの前でのポートレート撮影も定番のシチュエーションですよね。

ススキの中でのポートレート撮影は、幻想的、懐かしさ、絵画のような世界観を撮ることができて、まるで映画の主人公のような写真を撮ってもらえるので、モデルさんからも喜ばれる撮影スポートです。

今回は、秋のススキで撮るポートレート撮影のアイデアをシェアするので、これからモデルさんと写真を予定しているなら、ぜひ参考にしてください。

ススキで撮るポートレートは心が惹きつけられる

夕陽に照らされたススキの写真

秋のススキといえば、少し枯れ始めたススキがとてもエモい世界を演出してくれます。

とくに夕日に照らされた枯れススキには、民族的な印象があって、スタジオジブリの映画に出てきそうな風景に出会うこともできます。

そこでモデルを撮ると、映画のワンシーンのようにシネマティックな写真を撮ることができて、心が惹きつけられるんです。

ススキで撮ったポートレート写真を公開

僕もこれまでに何度かススキでポートレート撮影をさせていただいので、僕の写真を見てもらいましょう。

まずは、秋にススキが広がる前でモデルを撮影した写真。撮影した場所は、奈良県にある「平城宮跡歴史公園」。

背景に広がるススキがオレンジ色の夕日に照らされて、モデルさんが一瞬見せた「和み」の表情を撮ることができました。

それが、こちらの写真です。

ススキで撮ったポートレート写真
モデル : 福満香織さん

次の写真は先ほどと同じ場所で、奈良の「平城宮跡歴史公園」ですが季節は春。

春のススキは秋とは違って心地良い風が吹いていて、ススキも緑色した草とのコントラストのバランスが良かったです。

この時のモデルさんは、少女のような雰囲気をもっていて、周りのススキの風景にとても溶け込んでいました。

それが、こちらの写真です。

ススキで撮ったポートレート写真
モデル : Renaさん

僕はこの2枚の写真の雰囲気がとても好きで、秋のススキ、春のススキでポートレート撮影をすることが多いです。

ーロケ撮影で気をつけることー
平城宮跡歴史公園でポートレート撮影をする場合、無断で撮影するのは禁止となっていて事前に「許可申請」が必要です。詳しくは「平城宮跡歴史公園のホームページ」から管理事務所にご相談ください。

ススキでポートレート撮影をするならマニュアルモード

秋のススキでポートレート撮影をするなら、一眼レフの「M(マニュアル)モード」がオススメです。

その理由は「P(全自動)モード、Av(絞り優先)、Tv(シャッタースピード優先)」だと、カメラに頼った撮影になってしまうため、自分のイメージした世界観を出すことができないからです。

その点「M(マニュアル)モード」の場合は、全て自分で設定することができるため、背景のぼかし具合や露光量の調整、さらに色温度まで細かく決めることができます。

さらに自分らしい写真を撮るなら、「光と影を意識」したり「構図」を意識すると、オリジナリティのある写真を撮ることができます。

光と影を意識して自分らしい世界観をつくる

自分らしい世界観の写真を撮るなら、光と影のバランスはとても大切です。

光をどの角度から当てれば独自の世界観が出せるのかなど、あらゆるシーンをイメージすることができます。

オシャレな写真を撮る時の光を当てる基準は、写真家(撮る側)から見て「逆光」「半逆光」が効果的です。

ではここで、「逆行」「半逆光」「順光」の3つの光の当たり方について解説していきます。

「逆光」でエモい写真にする

逆光は、写真家(撮る側)の正面から太陽の光が当たる位置

逆光で撮ると「エモい写真」になりやすく、モデルの後ろから太陽の光が当たって、シルエットや心が揺さぶられる写真にしたいときに効果的です。

逆光で撮った写真
モデル : 海国りんさん

「半逆行」でドラマチックに

半逆光は、写真家(撮る側)の斜め45°正面から太陽の光が当たる位置

モデルの顔に自然に太陽の光が柔らかく当たるため、ドラマチックな写真になりやすくて、こちらもオススメです。

反逆行で撮ったモデルの写真
モデル : Tomomiさん

「順光」で表情をはっきり見せる

「順光」は、写真家(撮る側)の真後ろから太陽の光が当たる位置で、モデルの顔に直接光があたるので、表情をはっきり見せることができます。

ただモデルからすると、正面から太陽の光が当たるため、まぶしそうな顔になったり、顔が白とびしやすくなるので、ポートレート撮影をするときは、直接太陽を見ないような工夫が必要です。

順光で撮った場合のモデル写真
モデル : itoiさん

モデルに喜んでもらうオシャレな写真を撮りたいときは、できるだけ「逆光」「半逆光」を意識して撮ってみてください。

F値は開放で撮る

オシャレな写真を撮るなら、F値を開放(F1.4~2.8を目安)にして撮るのが効果的です。

F値とは「絞り」のことで、カメラに入ってくる光の量を調整するもの。

F値の数字を小さくすることを「開放」と言い、カメラに入ってくる光の量が多く、背景に「ボケ感」を出すことができます。主に、人物撮影(ポートレート撮影)に向いています。

F値の数字を大きくすれば「絞り」と言い、カメラに入ってくる光の量が少なく、背景に「ボケ感」がなくなります。主に、風景写真や商業写真に向いています。

モデルに喜んでもらう写真を撮るためには、F値を「開放」にして、モデルが際立つように背景にボケ感を出す方が喜ばれます。

一眼レフの露出を上げる

一眼レフの露出とは、被写体の明るさを調整するもの。

一眼レフで撮影する場合「ISO感度」「シャッタースピード」「F値」の組み合わせで、自分がイメージした写真を撮る事になります。

こうして撮影した写真を確認した時に、「周りの明るさはイメージ通りなんだけどモデルが暗いなぁ」と感じた時に、露出を少し上げて明るくして撮ることがあります。

こうやって、露出を上げて適正な明るさに補正することを「露出補正」と言います。

露出補正を上手く使えば、モデルの顔を明るくすることができ、オシャレな美肌効果のある写真にすることもできます。

僕の場合は、LightroomやPhotoshopでレタッチすることが多いので、撮影する時は、敢えて露出を下げて暗めに撮影し、レタッチで全体の明るさを調整ます。

僕の写真は、映画の質感のように明暗(コントラスト)の差が少なく、レトロ感のある写真をイメージしています。

なので、撮影時に周りの風景とモデルの明るさに差を出してしまうと、レタッチをする際に、モデルの顔が白飛びしたり、周りの風景が黒つぶれしないように、撮影する時の露出を下げ気味で暗めに撮るようにしています。

ポージングにこだわりすぎず自然な表現を撮る

ポージングにこだわりすぎると、自由度が低い面白味のない写真になってしまうんです。

ポートレート撮影を受けてくれるモデルの中には、写真家のイメージした世界観に合わせてポージングを練習している人もいます。

だけど、全てがポージングされた写真だとメリハリがなくなって、よくある定番の写真にしかならないんです。

もちろんモデルもポージングを試す場としてポートレートを受けているかもしれません。

商業写真なら、ポージングにこだわる必要もあるでしょう。ただ写真家にとっては、モデルの自然な表情をいかにアートに撮るかを練習する場でもあるんです。

作品撮りの場合は、ポージングにこだわりすぎず自然体でドラマチックに撮る方が、モデルに喜んでもらえるんですね。

構図を意識してオシャレな写真にする

オシャレに見える構図を意識することも、喜ばれる写真を撮影する1つの方法です。

当サイトの中で何度も「構図」について話してきました。

写真というものは、一眼レフでもスマホでも構図を意識することはとても重要なことだと思っています。

構図について詳しく書いた記事もあるので、そちらも参考に読んでみてください。

一眼レフでシネマティックに撮る方法

映画のワンシーンのように撮ったモデルの写真

オシャレな写真をさらに魅力的にする『シネマティック写真』について解説したいと思います。

映画のワンシーンのようなシネマティック写真

シネマチック写真とは、映画のワンシーンを切り取ったような写真で、そこにストーリーが生まれる写真のこと。

「ストーリーが生まれる写真?」と思ったのではないでしょうか。

ストーリーと言っても、動画のように映像で流すと言う意味ではなく、その写真を見て未来の姿が想像できる写真。

つまり、写真の裏に隠れている、写真が伝えたいストーリーを想像すると言うことです。

実はこの「ストーリーを感じる」ことはとても重要で、企業から写真撮影の依頼を受けた時、企業の先にいるユーザーが、企業のサービスや商品を使用しているイメージを想像させて、購入に繋げる大切な要素なんです。

詳しくは、下記の記事で解説しているので、興味があればぜひ読んでみてください。

と言うことで、ストーリーを感じる写真を撮ることで、さらに写真の魅力を上げることができます。

自然な表情を撮る

シネマティックな写真を撮る時は、できるだけモデルの自然な表情を撮るようにします。

ポージングにこだわりすぎると、違和感のある写真になってしまいます。

できるだけモデルの自然な表情を撮るために、写真家が遊び心を出すことも必要です。

遊び心と言っても、モデルが嫌がる角度から撮影したり、無理矢理アップで撮ったりするのではなく、話しながら撮るとか、わざとカメラを振って面白いボカし写真を撮ったりだとか。

こうして、息抜きを撮影の合間に入れることでモデルの自然な表情を撮ることができます。

撮影する時間帯を意識する

屋外で撮影する場合は、撮影する時間帯を意識します。

より魅力的な写真を撮るなら、早朝(6:00〜10:00)、夕方以降(16:00〜19:00)が幻想的な写真を撮ることができます。

早朝(6:00〜10:00)は、時期によっては薄い霧が発生していることもあり、出はじめた太陽の光が霧に反射して幻想的な写真を撮ることができます。

早朝に撮った琵琶湖の写真
撮影 : アート写真家リョウ

夕方以降(16:00〜19:00)になると、夕陽のオレンジ色がとても幻想的でススキが広がる草原で撮れば、スタジオジブリのような世界を撮ることもできます。

夕暮れ時のススキ で撮ったモデルの写真

昼間の時間帯は難しい

昼間のポートレート撮影は、太陽が真上にくるためモデルの顔に影ができやすく、レタッチをする時に頭のてっぺんが白飛びする可能性が高く、ポートレートや作品撮りにはオススメできません。

シネマティックな写真を撮るなら、日が沈みかける夕方(16:00〜)がいいでしょう。

朝が弱いモデルの方もいるので、そこはお互いのイメージを話し合って決めた方がいいでしょう。

レタッチでさらに魅力を上げる

ここまで魅力的な写真を撮る方法について話してきましたが、最終的にはレタッチをしてモデルに納品することが多いです。

中には「撮って出し※」を希望するモデルの方もいますが、その場合も、レタッチした写真も一緒に添えて納品してあげると喜んでもらえます。

※『撮って出し』とは、撮影した写真データをレタッチをせずに、撮影したままの写真で納品すること。

美肌にレタッチ

撮影した写真の魅力を上げるために、美肌補正することは当たり前だが、美肌補正をやりすぎると逆効果になってしまうので気をつけましょう。

美肌補正については、こちらの記事を参考にしてみてください。

映画の質感にする

写真に魅力を出す方法として、写真全体を映画の質感に加工するのも効果的です。

映画の質感には、長時間見ても疲れないと言った効果があり、それを写真に取り入れることで飾りたくなるオシャレな写真にすることができます。

モノクロを入れる

全てがカラーでもいいが、数枚ほどモノクロ写真を入れてあげるのも、モデルに喜んでもらうことができます。

モノクロ写真は、部屋にも飾りたくなってくるほどオシャレな写真になります。

このように、ちょっとしたプレゼントを添えてあげると「またこの写真家さんに撮ってもらいたい」と信頼に繋がります。

もしかするとモデル仲間にも紹介してもらえて、そこから写真家の知名度が上がっていくかもしれません。

モノクロ写真にレタッチする方法について書いた記事もあるので、参考に読んでみてください。

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