「いつも撮影後のレタッチで時間が掛かってしまう」
写真家の中には、Photoshopを使ってレタッチをする人もいますが、慣れていないと、とても時間がかかってしまいます。
写真撮影が増えてくると、Photoshopで細かくレタッチするのは大変なので、レタッチを効率化することも考えなければいけません。
そこで、レタッチ作業を効率化できるのが、Lightroomの「プリセット」です。
プリセットは、標準でも何種類かLightroomには入っていますが、自己流のプリセットを作成したり、プロの写真家のプリセットを購入して使うこともできます。
そこで今回は、Lightroomの「プリセット」について紹介したいと思います。
目次
撮影から納品までの流れを効率化
写真撮影の仕事をしていると、500枚、1,000枚の写真を選定してレタッチして納品することも当たり前。
その「レタッチ作業」が、どうしても時間はかかります。
少しでも効率化ができれば、納品スピードを上げることができるのに。
毎回1枚1枚レタッチをして、いつまでたってもクライアントさんにデータを納品することができない。
その焦りで、質感にバラつきがでてしまう。
その悩みを解決してくれるのが『プリセット』なんです。
Lightroomのプリセットを使えば、写真の納品までに1ヶ月ほど掛かっていたものが、1〜2週間で納品することも可能です。
Lightroomとは
まず、Lightroom(ライトルーム)について簡単に説明しておきましょう。
Lightroomとは、撮影した写真を編集(レタッチ)したり管理するために開発された、Adobe社が販売している、写真現像ソフト。
PhotoshopとLightroomの違い
これまでの写真のレタッチは、『Photoshop』を使う人が多かったかと思います。
Photoshopは、写真編集や加工、デザイン制作など、なんでもできるソフトですが、その反面、操作が複雑で使い慣れない人にとっては難しいソフトでした。
そこで、写真編集(レタッチ)や写真管理に特化して作られたソフトが「Lightroom」です。
Lightroomは余分な機能がついていないので、レタッチ作業に集中できるソフトと言えます。
僕のようなシネマティック写真をつくる場合は、PhotoshopとLightroomを組み合わせて使うことが必須になります。
だけど、一般記念写真を仕事にしている人は、Lightroomだけでレタッチをする方が効率的です。
パソコンとスマホで同期が可能
Lightroomの特徴は、パソコン(有料版)とスマホ(無料版)の両方にソフト(アプリ)を入れておくことで、同期ができます。
同期をしておくことで、どこにいてもレタッチができて、スマホで書き出しすれば、手間をかけずにSNSへ投稿することも可能になります。
そして、Lightroomを使う点で良いところは、プロ写真家のような質感を実現させることができるという点。
もちろんそれには、プロの写真家が販売しているLightroomプリセットを購入する必要があります。
とは言っても、それほど高額なものではないので、一度購入してしまえば、写真をいつでもプロ写真家のような質感にすることができます。
Lightroomプリセットとは
では、Lightroomのプリセットとは、どういったものなのかを簡単に説明いたします。
プリセットとは、スマホの写真加工アプリのように、フィルターを適用すると簡単にその質感になるものとイメージしてください。
もちろん、その質感はスマホ以上です。
プロ写真家の質感を参考にして、自分流のプリセットを作れば、写真表現もどんどん広がります。
Lightroomプリセットを使用した作例
では実際に、僕が自分で作ったプリセットを適用した作例を紹介します。
下記の写真の「Before(左)」がレタッチをしていない写真、「After(右)」がプリセット適用後の写真です。
プリセットを適用しただけで、上ような写真に編集することも可能です。
ただ、写真によってはプリセットだけでは色温度が不自然になる場合があるので、その時は「色温度」を微調整します。
Lightroomの「ホワイトバランス」で色温度を調整すると、写真全体の色温度が変わってしまうので「カラーグレーディング」で色温度を調整するのがオススメです。
Lightroomプリセットを使う場合、撮影した写真によっては、
「プリセットを販売しているサイトのサンプル写真のようにならない」
と言うこともありますが、それは当然のことです。
なぜなら、プリセットを適用して自分なりに微調整をするのが正しい使い方だからです。
プロの写真家のプリセットを使ったからと言って、すべてが同じ写真になるとは限りません。
撮影した環境、カメラの設定、写真の明るさや色温度など、撮る人によってその写真の質感は違います。
例えば、プリセットを適用して、写真が暗ければ「露光量」を上げれば明るさの調整はできるし、色温度が不自然なら「ホワイトバランス」を調整すればいいんです。
つまりプリセットは、写真のベースを作るもので、それにプラスして微調整をするものと思っておいてください。
購入したLightroomプリセットを使用する方法
ではオンラインなどで販売されている、写真家のプリセットを使う方法をご紹介します。
Lightroomのプリセットを購入すると、たいてい『.xmp』というデータファイルが入っています。
その『.xmp』データを、PC版のLightroomに読み込むことで、購入したプリセットが使えるようになります。
Lightroomにプリセットを読み込む
Lightroomのプリセットは、オンライン販売されているものが多いので、ここではオンライン購入から使用するまでをご説明いたします。
オンラインでプリセットを購入すると、その後に届くメールの中に、プリセットをダウンロードするURLが記載されているかと思います。
そこからプリセットをダウンロードして、パソコンに取り込みます。
ダウンロードしたプリセットが『.xmp』ファイルになっていることを確認し、下記を参考にして、デスクトップ版Lightroom又はLightroom Classicで読み込んでください。
購入したプリセットの読み込み方
1、Lightroomを起動して右上にあるマーク(上記画像の①の部分)をクリック。
2、プリセット項目がでない場合は、下記の『プリセット(上記画像の②の部分)』と書かれている部分をクリックすることで表示されます。
3、表示されたプリセット一覧の右上の3点(上記画像の③の部分)をクリック。
4、さらに表示された項目の中にある「プリセット読み込み…」(上記画像の④の部分)をクリック。
5、読み込みたいプリセットのファイルをクリック(上記画像の⑤の部分)
6、右下の「読み込み」(上記画像の⑥の部分)をクリックすれば読み込み完了です。
上記画像の中に記載してあるプリセット名は、参考として、僕のオリジナルプリセット名になっています。
なのでここの部分は、購入するプリセットのファイル名になります。
読み込んだプリセットを一覧に表示させる
1、Lightroom Classicを起動して上記画像の①『現像』をクリック。
2、左側のプリセット一覧の『+』マーク(上記画像の②の部分)をクリック。
3、表示された3つの項目の中から『プリセットを読み込み…』(上記画像の③の部分)をクリック。
4、読み込みたいプリセットのファイルをクリック(上記画像の④の部分)
5、右下の「読み込み」(上記画像の⑤の部分)をクリックで一覧に表示されます。
これで、購入したプリセットをLightroomに読み込んで、プリセット一覧に表示されて使えるようになります。
Lightroomプリセットを効果的に使う方法
プロの写真家が販売しているプリセットを効果的に使うには、ただプリセットを適用するだけでは完全なレタッチとはいえません。
もちろん、プリセットを適用するだけでイメージ通りの写真になることもあります。
さらに効果的にLightroomプリセットを使うには、適用後に「色温度」や「露光量」などを微調整する必要があります。
【 Lightroom Classicの場合 】
【 Lightroomの場合 】
【 スマホ版Lightroomの場合 】
オンラインで販売しているプリセットを効果的に使う方法は、憧れの写真家のプリセットを適用した後、自分らしい写真を微調整してつくり上げていくこと。
こうやってレタッチの技術を上げていくことで、自分らしいオリジナルのプリセットつくることができます。
さらに、自分流のプリセットを作れば、オンラインで販売することもできます。
くれぐれも、他の写真家が販売しているプリセットを購入して、そのまま他で販売すること(転売)は罪びなるので、注意してください。
最後に
こうしてLightroomのプリセットを購入して上手に活用することで、レタッチの作業効率を上げることができます。
さらに、プロの写真家のプリセット研究することで、自分らしいオリジナルのプリセットをつくることも可能でしょう。
オリジナルのプリセットをつくって販売すれば、写真家の副業にもなります。
これからの写真家は、写真を撮るだけが仕事ではなく、オンライン講座やプリセット販売という視野も広げることができます。
ぜひ今回のプリセットを参考に、新しい収入の形を取り入れてください。
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