Lightroomを使えば、たった数ステップで毛穴や質感を自然に残したまま自然な美肌に補正ができます。
スマホの加工アプリと違って、肌がノッペリせず、違和感のない仕上がりが可能です。
この記事では、Lightroomを使ってナチュラルな美肌補正の手順を初心者向けに画像つきでわかりやすく解説しています。
まずは、補正前と補正後の写真を見てみましょう。

これは僕がLightroomで簡単に美肌補正をした例ですが、短時間でもここまで自然に仕上がります。
このあと紹介する方法を使えば、写真によってはほんの数秒で美肌効果が完成します。
Lightroomでの自然なレタッチに興味がある方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次
Lightroomで美肌補正をしてみよう
では実際にLightroomを使って、美肌補正をする流れについて解説していきます。
今回の方法は、僕がいつもLightroomで美肌補正にする手法の1つで、全体の80%がこの美肌補正を使って写真を納品しています。
残りの20%は、Photoshopで細かく美肌補正をしていますが、最近はPhotoshopを使わなくても美肌補正ができるようになり、早ければ24時間以内にデータを納品することもあります。
Lightroomは、それほど効率が上がるソフトです。
Lightroomを使って美肌補正をする主な流れは、次のような感じ。
- 気になるシミなどを取り除く
- 肌を柔らかくする
- 明るさを調整する
今回、使用するモデルの写真は、フリー素材サイト『Pixabay』の中からサンプル写真として使用させていただきました。
僕がこれまでに撮影させてもらったモデルの方への配慮を考えてのことなので、どうかご理解ください。
『修正ブラシ』で気になるシミを消す
まず、Lightroomの『修正ブラシツール』で、目立つ「シミ」を消していきます。
【元の写真】
デフォルトでは、下記の画像の矢印「①」の部分にあるのが『修正ブラシツール』で、気になる「シミ、アザ、ふきでもの、傷」などを消していきます。
今回のサンプル写真の女性の場合、そこまで気になる部分はありませんが、数ヶ所ほど「シミ」が気になる部分があったので、修正ブラシツールで消していきます。
消したい「シミ」がある場所にポインタを合わせてクリック。
すると、その付近の色(近い色)が自動的に選択されて「シミ」の上にコピーされます。
色味に違和感がなければ「Enter(エンター)」で、「シミ」の部分に自然な肌の色が塗られて消すことができます。
もし、自動で選択された色が不自然だった場合は、肌が選択されている方の「◯」部分をクリックしたまま「シミ」のある周りの肌に合う色の部分に移動させて「Enter(エンター)」を押すと、「シミ」が消えて自然な肌の色になります。
それを繰り返して、気になる「シミ、アザ、ふきでもの、傷」を消していきます。
ーここでのポイントー
「修正ブラシツール」でなんでもかんでも消さないこと。
その理由は、その人のチャームポイントになるホクロや、目立たない程度のシミは残しておいた方が人間らしさが残って自然な肌に見えるからです。
スマホの加工アプリで美肌補正すると、不自然に見える原因の1つとして、肌の凹凸を全部消してしまって人間らしさをなくしてしまうからです。
人の目は不思議もので、集中してやっていると目が慣れてきて違和感を感じなくなってきます。
そんな時は、いったん時間をおいてもう一度見てみましょう。そうすると、その違和感に気づくことができます。
そして、もし「シミ、アザ、ふきでもの、傷」を消していい悩んでしまう場合は、撮影の時にモデルさんに相談してください。
その方が「一緒に作品をつくっている感」を味わってもらえるので、嬉しさと安心で、次も撮影を受けてくれるかもしれません。
『効果』の項目で肌を滑らかにする
次は、全体の肌を滑らかにする工程。
この工程は、Lightroomの『効果』の項目の中にある、『テクスチャ、明瞭度、かすみの除去』を使って調整していきます。
まず『テクスチャ』のスライダーを左にスライドさせて、肌を滑らかにしていきます。
一気に下げて肌の感じを見てもいいですし、少しずつ下げて滑らかにしてもいいでしょう。
スライダーを左にどんどん下げていくと、肌がだんだん滑らかになって美肌になっていくのがわかります。
ここでは『テクスチャ』のスライダーを『-55』まで下げましたが、よく見ると顔の凹凸がなく、なんか不自然な感じが。。。
その原因は『テクスチャ』を下げすぎて、スマホで美肌補正したように「のっぺりした顔」になっているからでした。
とはいえ、テクスチャを右へ戻すと肌の滑らかさがなくなってしまうので、テクスチャはそのままで、明瞭度を『+20』、かすみの除去を『+14』に上げることで輪郭がくっきりしました。
『明瞭度(めいりょうど)』とは、輪郭のコントラストを調整して強調したりソフトにしたりするもの。
『かすみの除去』とは、写真のかすみの部分を取り除いたり霧っぽくしたりして、かすみ具合を調整するもの。
『テクスチャ』『明瞭度』『かすみの除去』は、美肌補正をするときに使えるので、覚えておくと便利ですよ。
『ライト』の項目で肌の明るさを調整する
最後に、明るさを調整するために『ライト』の項目で調整していきます。
今回の写真では、最後に肌の柔らかさを微調整するために『露光量、コントラスト、ハイライト、シャドウ、白レベル』を微調整しました。
こうして完成した美肌写真が下記です。(比較してもらうために「レタッチ前とレタッチした後の美肌効果の写真」を並べてみました)

レタッチ処理の段階ではなかなか気づかない部分も、レタッチ前とレタッチ後の写真を見比べると、その違いがわかります。
このように、以前まではPhotoshopで気になる肌の部分を細かく選択しながら美肌補正をしてきましたが、Lightroomを使えば、簡単に自然な美肌に補正することができます。
それに、美肌補正をする時間も短縮することができて効率がいいので、これまで以上に早く写真を納品することもできるようになりました。
仕事が早いのは「信頼」につながります。
こうやってレタッチの効率を上げることも、写真家にとって大切なことなんです。
美肌補正のポイントは「自然な肌にする」こと
『Lighrtoom』を使って美肌補正をするポイントは、人らしい自然な肌に補正すること。
どんな肌もツルツルのサラサラにしてしまうと、Lightroomでも違和感を感じてしまいます。
できれば、元の肌の質感を残しながら、ほんのり美肌に見せるのがコツです。
撮影前にさりげなく肌の確認
ここまでLightroomを使った美肌補正について解説してきましたが、そこで大事なことは、事前にモデルの肌の感じを確認しておくことです。
だからと言って、相手の顔をじっと見つめるのは怖がられるので、世間話をしながらさりげなく、相手の肌の感じを確認するようにしましょう。
事前にモデルに会う機会があるなら、イメージのすり合わせと一緒に、さりげなくモデルの不安な部分を聞き出すのも、魅力的な写真を撮るために必要です。
人はその日によって肌の感じが変わる
あと、女性モデルの場合は、その日の体調によって肌の感じも変わってきます。
たとえば、睡眠不足が続くと肌が荒れてしまったり、疲れがたまると顔に「できもの」ができたり。
毎日のように肌のお手入れをしていても、撮影当日の肌が100%順調とは限りません。
モデルによっては、撮影当日の肌の感じが気になって不安な人もいるので、過去に撮影した写真を見てもらうのも、安心につながります。
下記の2つは準備しておくと、撮影までにスムーズに進みやすいです。
・ポートフォリオサイト
SNSの過去の美肌補正した写真を見てもらう
肌の調子が悪いからと言って、前日にポートレート撮影をキャンセルするモデルさんは滅多にいません。
傷ができていたり、ひどく荒れてしまった場合は別として、僕がこれまでに撮影させてもらったモデルの中には、肌荒れが原因で前日にキャンセルした人はいませんでした。
もちろん、撮影中に肌を気にしている人はいました。
顔のアップを嫌がる人もいれば、撮影直後にカメラのモニターを見て「私、肌荒れてますよね。。。」と不安になるモデルさんもいました。
そんな時、過去にレタッチした写真を見てもらったら、安心して撮影を受けてもらえました。
他にも、サンプル写真を持ち歩く方法もありますが、SNSに投稿することが日常になっている今の時代は、プリントした写真ではイメージが伝わりにくいもの。
一番は、SNSに投稿している過去の写真を見てもらうこと。そこからフォローにもつながるし、やりとりもしやすくなります。

ポートフォリオサイトを見てもらう
過去の写真を見てもらう方法として、ポートフォリオサイトを持つのも効果的です。
SNSの場合、投稿する時点で画像サイズが縮小されてしまうため、スマホの画面をズームして見ると、肌が荒く見えてしまいます。
せっかく美肌補正したのに、投稿した写真が荒くなってしまうと、美肌の技術が低く思われてしまいます。
その点ポートフォリオサイトなら、ある程度大きな画像サイズで公開しているので、スマホでズームにしても、肌は綺麗なままです。
その他にも、写真家がポートフォリオサイトを持つメリットがありますが、詳しくは下記の記事をご覧ください。
美肌補正はプリセットでは難しい
ある程度、Lightroomのレタッチに慣れてくると、次のように思うことがあります。
「毎回美肌補正の作業は効率が悪くない?」
「Lightroomのプリセットを使えばいいじゃん」
確かに、Lightroomには「プリセット」という便利なものがあります。
インスタグラムで言う『フィルター機能』のようなもので、1クリックでオシャレな写真に加工できるもの。
Lightroomでは、オリジナルプリセットも作れるので、いつでも自分らしい写真の質感にすることもできて、効率よく質感を合わせることができます。
なので「プリセットを使えば効率よく美肌補正できます!」と言いたいところですが、美肌補正に関しては、プリセットをつくってもあまり意味がないと思います。
その理由は、撮影した人や写真によって肌の質感が違うからです。
たとえば、今回のLightroomのレタッチで自然な美肌補正ができたとしましょう。
それをプリセット化して他の写真に適用しても、その写真には合わない場合が多いんです。
もちろん、同じ人、同じ角度、同じ距離で撮影した写真、すべて同じ条件がそろった環境で撮影された写真であれば、プリセットで美肌補正をすることは可能かもしれません。
だけど、ほぼ同じようにはならないでしょう。
なので、美肌補正のプリセットをつくるのは、あまりオススメできないんです。
美肌補正は手動の方が自然な美肌になるし、モデルさんからも「1枚1枚丁寧に自然な美肌ににしてくれた」と喜んでもらえます。
美肌補正のポイントは、次の2つ。
- あまり深くかけすぎずに自然に肌が馴染む程度
- 時には撮影したその時の肌の感じを出した方が魅力的になる場合がある
美肌補正は、使いすぎると不自然な写真になってしまうので、必要だと感じた写真にほんのり使うがコツです。
最後に
今回、紹介した美肌補正の手法は、Adobeの『Lightroom』を使った簡単な美肌補正の方法です。
僕自身、これまでにいろいろ試した結果、簡単で自然な肌の質感になったので、共有することにしました。
もしかすると、有料級のテクニックなのかもしれませんが、意外とこの美肌補正を知らない人が多いのも事実です。
Lightroomのレタッチ技術を身につければ、プリセットを販売して副業することもできるでしょう。
もし今、スマホの美肌補正アプリを使っているなら、この機会に「Lightroom」に切り替えてみてはいかがでしょうか。
SNSに投稿する写真のクオリティーも一気に上がり、フォロワー獲得にもなるかもしれませんよ。
もし「Lightroomを購入しよう」と思ったら、Lightroom単品よりもPhotoshopとLightroomがセットになった『フォトプラン』に契約することをオススメします。
7日間は無料で使うことができるので、使いにくいと感じたら7日の間にアカウントを解除すれば費用はかかりません。
継続して使いたいと思ったら、そのまま「月額 / 980円(税込1,078円)」で使い続けることができます。
LightroomやPhotoshopを使いこなせることができれば、今以上に写真の幅を広げることができますよ。
追記 : Lightroomとは
Lightroomとは、デザイナーやクリエイターが使用するクリエイティブ系ソフトの1つ。
Adobe社が販売している写真管理や写真補正(レタッチ)をするソフトです。
スマホ版のアプリ(無料)もありますが、細かな写真補正や仕事でレタッチするなら、パソコン版(有料)は持っておきたいものです。
スマホの美肌補正プリはとても便利ですが、拡大して見てみると、不自然になっていることが多いんです。
趣味で写真をする分にはいいですが、写真を仕事にする場合は、簡易のレタッチアプリではクレームにつながります。
最近では写真を仕事にする場合、Lightroomは必須のツールとなっています。
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