モノクロ写真には色がないけど、人の心を引きつける力がある。
例えば、モノクロで有名な写真家マイケル・ケンナの写真もその一つ。
そして、僕もモノクロ写真を撮っている。

撮影 : 写真家リョウ
僕は普段、下地調整(シネマティックな質感調整)をLuminar(旧Luminar Neo)で行い、最終的にPhotoshopでモノクロ写真に仕上げることが多い。
写真の感じによっては、Lightroomだけでモノクロにした方が、イメージに近くなることもある。
そこで今回は、撮影した写真をLightroomを使って簡単におしゃれなモノクロ写真にする方法を共有しようと思う。
はじめに
『モノクロ写真』といっても、その質感にはいろいろある。
ブルー調のモノクロや、本記事のアイキャッチ画像のように赤味よりのモノクロ。ちなみに、僕のモノクロは、『ブルー調』が多い。
理由は、写真家リョウは『静けさ』をテーマにしているからだ。
『静けさ』を写真で表現していく中で、僕の頭の中で、その静けさは”ほんのりブルーの世界”に感じている。
Lightroomを使うことで、より自分らしいモノクロ写真にすることができるので、本記事を参考にしてほしい。
では、Lightroomを使ったモノクロ写真にする流れを見ていこう。
Lightroomでモノクロ写真にする流れ
撮影した写真をおしゃれなモノクロにするには、『Lightroom Classic』が一番簡単だ。
『Lightroom』とは、Adobe Creative Cloudのサブスクリプション(該当のプラン)に契約することで使える写真現像ソフト。
今回モノクロにする写真は、以前に雨の日に一緒に作品撮りをしたモデルの写真。

では、Lightroomで簡単にモノクロ写真にする方法を見ていこう。
Lightroomでモノクロ写真にする、主な流れはこちら。
・露光量を調整する
・B&Wのパネルで色味を調整する
・カラーグレーディングを調整する
Lightroomの「白黒」プリセットを適用する
まずは、Lightroomに標準で入っている、『白黒プリセット』を使うことで、簡単にモノクロ写真に加工することができる。
『白黒プリセット』の中から、イメージに近いプリセットを適用。
Lightroom Classicの画面左側にプリセット一覧があり、そこから『白黒』の項目をクリック。
その中にはいくつかの白黒パターンのプリセットがあるので、イメージに近い白黒プリセットを適用する。
今回、選んだプリセットは『白黒コントラスト(高)』。
白と黒の差が強くて輪郭もハッキリするので、このプリセットを選んだ。
『白黒コントラスト(高)』を適用すると、次のようなモノクロ写真になる。
このままでも良いが、少し白と黒の差が強すぎるので、ここから微調整をしていく。
まず、白と黒の差が強すぎると感じた原因を探りながら、イメージしているモノクロ写真に近づけていく。
露光量で白黒を調整する
まず「白と黒の差が強すぎる」と感じた原因は、おそらく、次の3つだろう。
- 全体が暗い
- 白黒の差(コントラスト)が強すぎる
- 輪郭が『パキッ』としている
まず、イメージしているモノクロより全体的に暗く感じるので、右にある編集パネルの『露光量』で全体に明るさを足してみよう。
ここでは、露光量を『+0.25』にしている。
露光量を上げる前の写真は、白い衣装が暗くて汚れているように見えていたが、衣装の白い部分を少し明るくすることで汚れ感がなくなった。
B&Wパネルで白黒の色味を調整する
次に『B&W』を調整していこう。
ここでは『白黒ミックス』の調整をするが、本来ならカラー写真の特定の色の調整をする項目になる。
モノクロの場合は、白と黒の明暗をより細かく調整することができるので、B&Wパネルでイメージに近いモノクロ写真にしていくのがコツだ。
白黒ミックスの調整も、写真によっては大幅な調整が必要だが、今回の場合はそのままでも問題なさそうだ。
白黒ミックスの調整が必要なのは、写真全体が暗く、露光量で明るくした時に「この部分は暗いままで良かったのに、明るくなってしまった」という場合。
カラーグレーディングを調整する
最後の仕上げに、『カラーグレーディング』を調整する。
この『カラーグレーディング』は、とくにこだわりたい部分だ。
カラーグレーディングを使えば、映画風の質感に近づく。
カラーグレーディングに似ている項目で、『ホワイトバランス』があるが、ホワイトバランスで調整をすると、写真全体の色味が変わって不自然な写真になってしう。
その点、カラーグレーディングは暗い部分(シャドウ)明るい部分(ハイライト)と、個別に色温度が調整できるので、映画風の質感が再現しやすい。
だからいつも、カラーグレーディングに時間をかけて、その上で自己流の白黒プリセットをつくって他の写真に適用している。
オリジナルのプリセットを作っておけば、フィルムの質感を統一することもできるし、レタッチ作業の効率化にも繋がる。
プリセットについて詳しく書いた記事もあるので、そちらをご覧ください。
完成したモノクロ写真を公開
ということで、Lightroomの標準「白黒」プリセットを適用してから微調整して完成したモノクロ写真がこちら。

このように、Lightroomを使って自身が撮影した写真をモノクロ写真にすることで、一気におしゃれ感が増す。
Lightroomの白黒プリセットの種類
では、Lightroomに標準で入っている白黒プリセットには、どんな種類があるのか。
ということで、Lightroomに入っている標準の「白黒プリセット」だけ適用した写真の違いを見ていこう。
Lightroomの標準で入っている白黒プリセットの種類には、次のようなものがある。

- 白黒風景
- 白黒コントラスト(高)
- 白黒型抜き
- 白黒コントラスト(低)
- 白黒フラット
- 白黒ソフト
- 白黒赤外線
- 白黒セレン調
- 白黒セピア調
- 白黒明暗別色補正
先入観をなくすために、あえてプリセットの説明はしないでおこう。
あなたのイメージに近い白黒プリセットをベースに、微調整をしてみてほしい。
白黒風景
白黒コントラスト(高)
白黒型抜き
白黒コントラスト(低)
白黒フラット
白黒ソフト
白黒赤外線
白黒セレン調
白黒セピア調
白黒明暗別色補正
といった感じで、Lightroomの標準でも全部で10種類の白黒プリセットが付いている。
プリセットの基本的な使い方は、プリセットを適用して完成ではなく、適用後は自身のイメージした写真にするために微調整をすること。
例えば、下記のように昔のフィルム写真のように、色あせた感じを出すことも可能だ。
僕が撮影した写真をモノクロにする際に意識していることは、柔らかな質感・レトロ感を出すこと。
もちろん、写真を撮影するときのカメラ設定や画角も重要で、カメラの設定によって、古びた映画のようなモノクロ写真にできるかが決まる。
その上で、自分流にLightroomでモノクロに微調整をしていく。
よく使用される調整を紹介
写真をレタッチする場合、基本となる調整が『トーンカーブ』。
トーンカーブを調整する場合、「S字にするとメリハリのある写真になる」と言われている。
実際にS字にすると、本当に写真にメリハリが出る。
もちろん全ての写真に当てはまるわけではないが、何から調整すればいいか迷った時は、とりあえずトーンカーブを『S字』にしてみるといいだろう。

僕はいつも『RGB』のみS字にして、『R』『G』『B』のトーンカーブはほとんど調整しない。



モノクロ写真にする場合は、トーンカーブに加えて『WB(ホワイトバランス)』と『白黒ミックス』で細かく微調整している。


本来なら『カラーグレーディング』で調整したいところだが、今回のモノクロに関しては、ホワイトバランスの方が全体のまとまりがよかったので、ホワイトバランスを使つた。
あとは、元の写真の明るさによって、露光量を調整したりコントラストを下げたり。
先ほども言ったように、Lightroomプリセットの使い方は適用たら終わりではなく、プリセットを適用した後の微調整が大切だ。
プリセットを適用しただけだと、
「プリセットを適用したら白飛びした」
「プリセットを適用したら顔が見えないくらいに暗くなった」
となることは多い。
もちろん、写真によってはLightroomプリセットを適用しただけでも良い写真になることもあるだろう。
しかし、毎回プリセットを適用しただけの写真では、レタッチ技術を上げることはできない。
使い方次第で、自分だけの世界観を表現することができる。
例えば、Luminarで下地を作り、Photoshopでモノクロ微調整をする。
この方法が、僕には合っている。
最後に
今回はLightroomの標準で入っている白黒プリセットを元に、自己流のオシャレなモノクロ写真にする方法について話してきた。
Lightroomの標準で入っている白黒プリセットを使うことで、簡単にモノクロ写真にすることもできる。
ただし、レタッチの技術を上げるため、映画風のモノクロ写真にしたい場合は、『プラスαで微調整する』という癖をつけること。
そうすれば、あなたらしい唯一無二な『アートなモノクロ写真』を作ることができるだろう。
さらにドラマティックなモノクロ写真を求めるなら、Luminarは、あなたにとって魅力のあるツールとなるだろう。
僕自身、Luminarを使って感じた感想をまとめた記事があるので、興味があればそちらも覗いてみてほしい。


















