モノクロ写真を部屋に飾るとオシャレな空間に変わる。
自分で撮影した写真はLightroomの標準で入っている白黒プリセットを使えば、簡単にモノクロ写真にすることができる。
さらに一手間加えると、よりオシャレなモノクロ写真を作ることができるので、その方法についてシェアしようと思う。
ぜひ本記事を参考に、オシャレなモノクロ写真をつくってみてほしい。
目次
Lightroomでモノクロ写真にする流れ
では早速、Lightroomを使ったモノクロ写真にする流れを見ていこう。
僕がいつもモノクロ写真にレタッチに使用しているアプリは『Lightroom Classic』。
Lightroomのサブスクリプションに契約すれば、「LightroomCC」と「Lightroom Classic」が使えます。
LightroomCCにも「白黒」プリセットが入っているので、当記事を参考にしてください。
今回、解説するために使用させていただく写真は、以前に雨の日に僕が撮影させていただいたフリーモデルをされていた『Akane(@___ar.03_)』さんの写真。
Lightroomでモノクロ写真にする、主な流れは次のようになる。
- Lightroomの「白黒」プリセットを適用する
- 露光量を調整する
- B&Wのパネルで色味を調整する
- カラーグレーディングを調整する
それでは順番に見ていこう。
Lightroomの「白黒」プリセットを適用する
まずは、Lightroomに標準で入っている「白黒」プリセットの中から、イメージに近いプリセットを適用する。
Lightroom Classicでは、画面の左側にプリセット一覧があり、そこから『白黒』の項目をクリック。
その中にはいくつかの白黒パターンのプリセットがあるので、イメージに近い白黒プリセットを適用しよう。
今回、僕が選んだプリセットは『白黒コントラスト(高)』というプリセット。
白と黒の差が強くて輪郭もハッキリするのが、このプリセットを選んだ理由だ。
『白黒コントラスト(高)』を適用すると、次のようなモノクロ写真になる。
もちろんこのままでも良いと思いが、少し白と黒の差が強すぎるかなと感じたので微調整することにした。
まず、少し白と黒の差が強すぎると感じた原因を探りながら、自分がイメージしたモノクロ写真に近づけていく。
露光量で白黒を調整する
少し白と黒の差が強すぎると感じたのは、おそらく次の3つが原因だと僕は分析した。
- 全体が暗い
- 白黒の差(コントラスト)が強すぎる
- 輪郭が『パキッ』としている
まず僕がイメージしているモノクロ写真より暗く感じたので、Lightroomの画面の右側にある『露光量』で、ほんのり明るさを足してみた。
上の画像では露光量を『+0.25』にしている。
露光量を上げる前の写真は、白い衣装が暗くて汚れているように見えていたが、衣装の白い部分を少し明るくすることで、汚れた感じをなくすことができた。
この汚れた感じが、パキッとした写真に見えた原因だったようだ。
B&Wパネルで白黒の色味を調整する
次に『B&W』パネルを調整していく。
ここでは『白黒ミックス』の調整をするが、本来ならカラー写真の特定の色の調整をする項目になる。
だけどモノクロの場合は、白と黒の明暗をより細かく調整することができるので、B&Wパネルでイメージに近いモノクロ写真にしていく。
白黒ミックスの調整も写真によっては大幅な調整が必要だが、今回の場合は、そのままでも問題ないと判断した。
白黒ミックスの調整が必要なのは、写真全体が暗く露光量で明るくした時に「この部分は暗いままで良かったのに明るくなってしまった」と言った場合だ。
白黒ミックスで明るくなってしまった部分を、暗く調整するために使うことがある。
あくまでも僕が使っている方法なので、写真によっては他の部分も暗くなってしまうこともあるので、参考程度に知っておいてほしい。
写真加工技術を上げるためには、自分自身で試しながら良い方法を見つけていくことが大切である。
カラーグレーディングを調整する
最後の仕上げに『カラーグレーディング』を調整するが、僕がとくにこだわる部分である。
この『カラーグレーディング』を調整することで、映画風の質感になりやすい。
ホワイトバランスで調整すると、写真全体の色味が変わってしまって不自然な写真になる。
その点カラーグレーディングは、暗い部分(シャドウ)明るい部分(ハイライト)と別に色温度が調整できるので、映画風の質感が再現しやすい。
僕はいつもカラーグレーディングに時間をかけて、その上で自己流の白黒プリセットをつくって他の写真に適用することが多い。
オリジナルのプリセットを作っておけば、フィルムの質感を統一することもできるし、レタッチ作業の効率化にも繋がる。
完成したモノクロ写真を公開
ということで、Lightroomの標準「白黒」プリセットを適用してから微調整して完成したモノクロ写真がこちら。
このように、Lightroomを使って自分が撮影した写真を少しのこだわりをプラスして、モノクロ写真にすれば部屋にも飾りたくなってくる。
それに、インスタグラムなどで世界観を統一して発信し続ければ、飲食店に飾るための作品制作の依頼がくるかもしれない。
最近だと、写真家の中で話題になっている『Luminar Neo(ルミナーネオ)』というAI搭載のRAW現像ソフトもあるので、より独自性のあるアートな写真を作ることができる。
その『Luminar Neo』を実際に使った感想をまとめた記事がこちら。
Lightroomの白黒プリセットの種類
では、Lightroomに標準で入っているモノクロの標準プリセットにはどんな種類があるのか。
ということで、Lightroomに入っている標準のモノクロプリセットだけを適用した違いを見ていこう。
Lightroomの標準で入っている白黒プリセットの種類には、次のようなものがある。
- 白黒風景
- 白黒コントラスト(高)
- 白黒型抜き
- 白黒コントラスト(低)
- 白黒フラット
- 白黒ソフト
- 白黒赤外線
- 白黒セレン調
- 白黒セピア調
- 白黒明暗別色補正
先入観を排除するために、あえて各プリセットの説明を割愛しているので、あなたのイメージに近いモノクロプリセットをベースに微調整してみよう。
白黒風景
白黒コントラスト(高)
白黒型抜き
白黒コントラスト(低)
白黒フラット
白黒ソフト
白黒赤外線
白黒セレン調
白黒セピア調
白黒明暗別色補正
といった感じで、Lightroomの標準でも全部で10種類の白黒プリセットが付いている。
プロセットの基本的な使い方は、プリセットを適用して完成ではなく、適用後は自分のイメージした写真にするために微調整をすること。
例えば下記のように、昔のフィルム写真みたいに色あせた感じを出すことも可能になる。
僕が映画のワンシーンのようなモノクロ写真にレタッチする場合に意識していることは、柔らかな質感・レトロ感を出すこと。
もちろん、写真を撮影するときのカメラ設定や画角も重要で、カメラの設定によって古びた映画のようなモノクロ写真にできるかも決まってしまう。その上で、自分流にLightroomでモノクロに微調整をしよう。
よく使用される調整を伝授
写真をレタッチする場合、基本となる調整があり、とくに『トーンカーブ』を調整する場合は、「S字にするとメリハリのある写真になる」と言われている。
もちろん全ての写真に当てはまるわけではないが、何から調整すればいいかわからなくなった場合は、とりあえずトーンカーブを『S字』にしてみよう。
僕はいつも『RGB』のみS字にして、『R』『G』『B』のトーンカーブはほとんど調整していないことが多い。
モノクロ写真にする場合は、トーンカーブに加えて、『WB(ホワイトバランス)』と『白黒ミックス』で細かく微調整している。
本来なら『カラーグレーディング』で調整したいところだが、今回のモノクロ写真に関しては、ホワイトバランスの方が全体のまとまりがよかったので、ホワイトバランスを使った。
あとは元の写真の明るさによって、露光量を調整したりコントラストを下げたりする程度。
先ほども言ったように、Lightroomプリセットの使い方は適用たら終わりではなく、プリセットを適用した後の微調整が大切である。
プリセットを適用しただけだと、次のようなことが必ず出てくる。
「プリセットを適用したら白飛びした」
「プリセットを適用したら顔が見えないくらいに暗くなった」
もちろん撮影した写真によっては、Lightroomプリセットを適用しただけでもいい写真になることもあるだろう。
ただ毎回プリセットを適用しただけの写真では、レタッチ技術を上げることはできない。
映画風の質感に加工する方法として、Photoshopを使う方法もありますが、その流れについてはこちらの記事が参考になるだろう。
最後に
今回はLightroomの標準で入っている白黒プリセットを元に、自己流のオシャレなモノクロ写真にする方法について話してきた。
Lightroomの標準で入っている白黒プリセットを使うことで、簡単にモノクロ写真にすることができる。
ただし、レタッチの技術を身につけたい場合や、映画風のモノクロ写真をつくりたいのなら『プラスαで微調整する』という癖をつけよう。
Lightroomのレタッチの基本でもある「美肌補正」と組み合わせれば、モノクロ写真もプロ写真家のような写真にすることができるだろう。
写真家リョウの額装作品
coa#09『帰路』
日常の中に見つけた
アートな世界。
シンプルで心にゆとりが生まれる
額装写真。
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