耳をすませると聞こえてくる、静かに流れる水の音。
そんな雨の週末の午後に、何気なく訪れたカフェ。
ふと流れ始めた曲に、心がすっとほどけていく。
ときにメロディは、言葉をこえて、空気のように優しく空間を包みこむ。
先週までの頭の中にあったノイズが、音楽によって静かに遠のいていく。
コーヒーを飲みながら窓の外を見ると、雨の雫で揺れた葉、水たまりに浮かぶ波紋(リップル)。
それを見ているだけで、心の余白(ゆとり)がよみがえってくる。
音楽と雨音。静まりかえった空間の中で響く2つの音。
それが、騒がしさの中にある静かでいられる場所を教えてくれた。
静かな週末を過ごすから気づくことがある。
誰かが歌っている歌詞の一節が、今、自分が過ごしているシーンと重なって、
「この感情、言葉にはできないけど、確かに今の自分だ」と気づく。
そんな曖昧な言葉でしか言えないけど、リアルな心の動きを音楽はそっと照らしてくれた。
「音楽っていいな」
「余白っていいな」
もしかするとこの曲は、“週末の余白”の中で生まれたのかもしれない。
そう思うと、誰かの静かな午後と僕の週末の時間が、どこかで響鳴し合っている気がしてならない。
余白が生んだつながり。それが、僕の居場所を東京へと歩ませたのだろう。
今ここで流れている雨音と音楽は、ただのBGMじゃない。
“音”を感じることで、自分の感情にふと気づいたり、疲れていた心に小さな灯をともす。
そんな、雨のように静かで優しい音楽と出会える午後は、何もしないことが、どんなことより価値があるように思えてくる。
静かな週末を過ごすって、これほど心地よいとは。
心の余白に静かな音が染み渡る。
そんな週末が、また訪れますように。
静けさと余韻が心を元気づける
— Quietude and afterglow quietly empower the heart. —
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シネマティック写真家リョウ
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