午後の光は、午前中のきらめきとはどこか違う。
やわらかく、空気に溶け込んでいくような淡さ。
ほんの数分前まで、窓を濡らしていた雨はすっかり止み、雨風の音が遠くに響いているのを感じる。
部屋の中は、時計の針の音だけがゆっくりと響いて、時折、風で揺れるカーテンが優しい音を奏でる。
時計の針の音、カーテンの擦れる音。
人によっては不協に聞こえることもあるけど、今の僕には心地よく感じる。
そんな静かな空間で音楽を流すのもいいが、時にはその日常音を感じるのも良いものだ。
なんとも言えない静けさ。これが、雨上がりの余韻なんだろうな。
そんなまったりした時間を過ごしていると、自分の中から小さな声が浮かび上がってくる。
「この感覚、確かにどこかで味わったことがある」
そんな記憶の糸をたどりながら、「今日は贅沢な一日にしよう」と決めた。
窓辺に座って、冷めかけた紅茶と光の中にできた影の輪郭を眺めていると、「“贅沢な時間”ってこういうものだ」とあらためて思う。
誰かと話すわけでも、何か特別なことをするわけでもない。
無理に週末のスケジュールを埋めなくてもいい。
ただただ静かに流れていく時間を感じる。それが、心の芯まで届いて余白が生まれるきっかけになる。
この時間があるだけで、来週の自分も少しだけ優しくいられるような気がする。
そんな静かな週末を、あなたも感じて欲しい。
静けさと余韻が心を元気づける
Quietude and afterglow quietly empower the heart.
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シネマティック写真家リョウ
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