心の余白がくれるもの|02:焦らず生きるための静かな贅沢

空を見上げることから、『静かな時間』がはじまる。

気がつけば、いつも下を向いていた。

スマホを見る習慣がついた今の時代、僕たちは無意識に、“下”を意識することが多くなっている。

歩くときも、
仕事の合間も、
ちょっとした瞬間も。

仕事へ行く途中、電車の中で下を向いている人は、いったいどれくらいいるのだろう。

視線が地面に近づくほど、どこか気持ちも沈みがちに思えるのは僕だけだろうか?

ほんの数秒でいい。

スマホを置いて、空を見上げてみてほしい。

高く広がる空には、気づかなかった色があって、見過ごしていた雲の流れがある。

日常の中にある景色が、心を「すっ」と軽くしてくれるのを知っているだろうか?

きっとそれが、「心の余白の入口」なのかもしれない。

焦りのない時間が失敗を遠ざけてくれる

いつも忙しくしていると、心の中の“隙間”が、どんどん埋もれていく。

何かを考えるたびに焦っているせいか、判断も雑になってしまう。

あとで振り返って、「なんであのとき…」と悔やんだ経験は、一度や二度じゃないはず。

だから、そんなときに少し立ち止まって、空を見上げて呼吸をゆっくり整える。

たった『10秒』空を見上げるだけで、頭の中に余白が生まれて、冷静な選択ができるようになる。

たった『10秒』。

心の余白は僕たちに、“小さな気づき”を教えてくれる。

焦りが小さな失敗を生み、大きな不安に変わってしまう。

その前に、余白は見えないバリアのように、不安の波から静かに遠ざけてくれる。

“余白”とは、選びとる静かな贅沢

「心に余白を持つ」と聞くと、何もしない時間のように思うだろう。

だけど実はその逆で、“何をしないか”を選ぶことが、余白のある状態だと僕は思う。

やるべきことに追われず、自分の時間の使い方に“選択肢”が持てる。

それは、今この瞬間を丁寧に味わう余裕でもあり、贅沢な時間でもある。

例えば、お気に入りの音楽を静かに流しながら、窓辺でコーヒーを飲む朝。

何かのために動いているわけじゃない、ただそこにいるだけの時間。それが、心を一番豊かにしてくれる。

余白が生み出す創造性

写真を撮るときにも、意識するのは“余白”だったりする。

フレームいっぱいに詰め込まず、どこかに余白を残しておくことで想像が広がる。

創作においても、心に余裕があるときほど、良いものが生まれる。

なんとも不思議なものだ。

詰め込みすぎず、完璧を求めすぎないからこそ、生まれるニュアンスがある。

それは、静けさの中でしか見つけられない美しさでもある。

結び|心の余白は、静かな雨を待つように

何も起きていない、静かな時間。その中に、少しずつ広がっていく“余白”の感覚。

まるで、まだ降っていない雨を静かに待っている時間のように。

空の色が少しだけ変わり、風の匂いに湿り気が混じる。

心のどこかで、「もうすぐ降り出す」と分かっていながら、それを待つ静けさを楽しむ。

心に余白があるということは、何かを焦って手に入れることではなく、何かが訪れるのを信じて待てる力なのかもしれない。

そして今も僕はあの日の静かな雨を、心のどこかで待ち続けている。

あなたにもきっと、そういう“余白を感じる時間”があるはずだ。

雨を待つ期待感と静けさの中にある懐かしさ — The Quiet Nostalgia Within the Wait for Rain —


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“焦り”というノイズから距離を置いたとき、私たちは何を見るのか。シリーズ第1話はこちらから。

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