空を見上げることから、『静かな時間』がはじまる。
気がつけば、いつも下を向いていた。
スマホを見る習慣がついた今の時代、僕たちは無意識に、“下”を意識することが多くなっている。
歩くときも、
仕事の合間も、
ちょっとした瞬間も。
仕事へ行く途中、電車の中で下を向いている人は、いったいどれくらいいるのだろう。
視線が地面に近づくほど、どこか気持ちも沈みがちに思えるのは僕だけだろうか?
ほんの数秒でいい。
スマホを置いて、空を見上げてみてほしい。
高く広がる空には、気づかなかった色があって、見過ごしていた雲の流れがある。
日常の中にある景色が、心を「すっ」と軽くしてくれるのを知っているだろうか?
きっとそれが、「心の余白の入口」なのかもしれない。
焦りのない時間が失敗を遠ざけてくれる
いつも忙しくしていると、心の中の“隙間”が、どんどん埋もれていく。
何かを考えるたびに焦っているせいか、判断も雑になってしまう。
あとで振り返って、「なんであのとき…」と悔やんだ経験は、一度や二度じゃないはず。
だから、そんなときに少し立ち止まって、空を見上げて呼吸をゆっくり整える。
たった『10秒』空を見上げるだけで、頭の中に余白が生まれて、冷静な選択ができるようになる。
たった『10秒』。
心の余白は僕たちに、“小さな気づき”を教えてくれる。
焦りが小さな失敗を生み、大きな不安に変わってしまう。
その前に、余白は見えないバリアのように、不安の波から静かに遠ざけてくれる。
“余白”とは、選びとる静かな贅沢
「心に余白を持つ」と聞くと、何もしない時間のように思うだろう。
だけど実はその逆で、“何をしないか”を選ぶことが、余白のある状態だと僕は思う。
やるべきことに追われず、自分の時間の使い方に“選択肢”が持てる。
それは、今この瞬間を丁寧に味わう余裕でもあり、贅沢な時間でもある。
例えば、お気に入りの音楽を静かに流しながら、窓辺でコーヒーを飲む朝。
何かのために動いているわけじゃない、ただそこにいるだけの時間。それが、心を一番豊かにしてくれる。
余白が生み出す創造性
写真を撮るときにも、意識するのは“余白”だったりする。
フレームいっぱいに詰め込まず、どこかに余白を残しておくことで想像が広がる。
創作においても、心に余裕があるときほど、良いものが生まれる。
なんとも不思議なものだ。
詰め込みすぎず、完璧を求めすぎないからこそ、生まれるニュアンスがある。
それは、静けさの中でしか見つけられない美しさでもある。
結び|心の余白は、静かな雨を待つように
何も起きていない、静かな時間。その中に、少しずつ広がっていく“余白”の感覚。
まるで、まだ降っていない雨を静かに待っている時間のように。
空の色が少しだけ変わり、風の匂いに湿り気が混じる。
心のどこかで、「もうすぐ降り出す」と分かっていながら、それを待つ静けさを楽しむ。
心に余白があるということは、何かを焦って手に入れることではなく、何かが訪れるのを信じて待てる力なのかもしれない。
そして今も僕はあの日の静かな雨を、心のどこかで待ち続けている。
あなたにもきっと、そういう“余白を感じる時間”があるはずだ。
雨を待つ期待感と静けさの中にある懐かしさ — The Quiet Nostalgia Within the Wait for Rain —
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