僕が作品撮りを始めたのは「もっと心が惹きつけられるアートな写真が撮りたい」と言う想いが強くなったからだ。
当時の僕には、モデルの知り合いなんていなかった。
だから、共に作品撮りをしてくれるモデルを探すために、インスタグラムを毎日ながめていた。
そんな時、あるモデルのインスタグラムを見て衝撃が走った。
心の底から溢れ出る感情を表現されていて、まさに、僕がイメージしていた“心の芯(COA)”に届くアートな写真だった。
本記事は、2021年に僕が出会った印象的な『アートなモデルとの作品撮り』について、記しておきたくて書いた記事である。
アートなモデル

モデルの名は『itoi(@live0120)』(2021年、当時のモデル名)。僕からすれば、アートで魅力的なモデル。
itoiさんと作品撮りをしたことで、僕らしい、“アートでシネマティックな写真”を見つけることができたと言ってもいいくらいだ。
アートな表現の魅力
僕は現在も「心が惹きつけられるストーリー性のある写真を撮る」をコンセプトに、京都を拠点に写真家として活動をしている。
そんな写真家の活動をしていくうちに『シネマティック×雨の日=写真家リョウ』という、一本のブランド軸をつくることができた。
表現とは
ここから少し硬い話になるが、表現する方法は人によって違うため「自由でいい」と僕は思っている。
例えば人物を撮影するとき、顔が横向いていても、髪が風で乱れていても、多少ブレていても、そこに物語があるなら、その写真は『アートな写真』になり得るだろう。
ポージングをして、カメラ目線で笑顔じゃなくてもいい。
そのような写真は規則性があって、不自然な写真になるような気がして、僕はあまり好きではない。
もちろん、ポージングをすることが悪いわけではない。商業写真や記念写真を撮る場合は、ポージングやカメラ目線、笑顔は大切なこと。
ただ僕のアート写真は、僕のイメージしている世界とモデルの表現を掛け合わせて、共につくる写真。
だから僕は、事前にモデルにテーマを伝えて、できるだけ自由に動いてもらうようにしている。
多分、僕と作品撮りをするモデルさんからすれば「自由に動くこと」は難しいだろう。
だけどその曖昧さがアートな表現となって、その時その瞬間にしか撮ることができない、“唯一無二の写真”になる。
モデルitoiさんは、そんな僕の曖昧なテーマの中でも、自分なりのストーリーを演じてくれた。
心から溢れ出た感情を逃さず撮る
心の中にある感情を表現するのは難しいものだと思う。
僕の場合は『写真と言葉』で表現しているが、モデルさんの場合は、体と空間を使って表現しなければいけない。
たとえ頭の中でイメージができていても、表情や体の動きはその場の環境に影響されてしまう。
日差しが強ければ眩しい表情になるし、ロケ地が人通りが多い場所だと、落ち着きがない表情になってしまう。
だけどモデルitoiさんは、周りに影響されることなく、“自身の心の中にある感情”をうまく表現してくれた。

作品撮りまでの経緯
モデルitoiさんと作品撮りをすることになった経緯は、僕がitoiさんのインスタにDMを送ったことから始まった。
インスタからDMを送る
僕は作品撮りをするために、インスタグラムでいろいろなモデルの投稿を見ていた。
すると、僕の心に衝撃が走った。
その写真は、ただのポートレート写真ではなく、スマホの画面からも伝わってくる、“アートな世界観を感じる写真”だった。
それが、モデルitoiさんのインスタアカウントだった。
もちろんフォトグラファーの技術も凄いが、それ以上に、itoiさんの表現力に惹かれていた。
僕は思いきってitoiさんにDMで、挨拶と作品撮りについての内容を添えて「撮影させてほしい」とメッセージを送った。
だけど当時の僕にはモデルの撮影実績がなかったため、「撮影実績がない僕には返事はこないだろう」と思っていた。
ところが数日後、itoiさんから撮影OKの返事が届いた。
そこから何回かメッセージのやり取りをして、撮影のイメージや衣装の内容をまとめていった。
こうして、モデルitoiさんと作品撮りをすることができたのである。
この時に僕は思った。モデルの撮影実績がなくても、相手の不安を取り除くようなDMを送ることで、撮影を受けてもらえると。
それについては下記の記事でまとめているので、そちらを読んでほしい。
作品撮りのテーマを共有する
こうして何回かメッセージのやりとりをして、浮かんだテーマが『進化』だった。
ここでも、モデルitoiさんの表現力に圧倒されてしまった。
僕の『進化』のイメージは、新しい人生に向かうポジティブなイメージ。ところが、それをモデルitoiさんに伝えると、
「人が進化するのは退化があるからで、進化と退化は対になっているものだから、そのテーマを自分なりに表現してしまうと楽しい作品撮りにならないかも」
と言うメッセージが返ってきた。
正直僕は、自分のイメージの奥行きのなさを思い知らされた。
アートな表現というものは、心の中から溢れてくる感情を、“その人らしくどう表現するか?”というところにある。
人はプラスな感情だけではなく、マイナスな感情ももっている。
その、プラスの感情とマイナスな感情を対(つい)にすることで、写真にストーリーが生まれる。
そう考えると、モデルitoiさんの表現にはプラスもマイナスな感情もある。だから、アートに感じたのかもしれない。

まさにそれが僕の目指している『心が惹きつけられるアートな写真』である。
魅力を感じるモデルというものは、自分らしい表現をもっている人であり、それをうまく演じることができる人。
そんな魅力を感じる人と作品撮りをすることで、写真の魅力が上がるのだと思っている。
最後に
今回の記事では、2021年に作品撮影をさせていただいた、『モデルitoiさん』のアートな表現の魅力について語ってきた。
その魅力に触れたことで「自分らしいアートな写真とは何か?」を明確になり、『写真と言葉を融合したシネマティックな写真』を届けることができるようになった。
自由に表現すると言うことは難しいこと。だけど、どこにも存在しない作品をつくるには、その、“曖昧さ”も大切なことだと僕は思う。
そうやって経験を積み重ねていくことで、『自分』というブランドの価値を高めることができるのだろう。
良ければ、モデルitoiさんのインスタを覗いてみてほしい。

