写真家がポートフォリオサイトを作成する3つのメリット

写真家とってポートフォリオサイトは、自分の世界観をアピールするのにとても効果的な営業ツールになるのに、もっていないということはとても無駄なことをしている。

「今はSNSで気軽に写真を投稿できるのに、わざわざサイトを作って時間をかけてアピールする方が無駄じゃない?」

そんな声が聞こえてきそうだけど、SNSとポートフォリオサイトでは目的が全然違う。

今回は、写真家がポートフォリオサイトをもつべき理由と、SNSとの違いについて語りたいと思う。

SNSでは伝えきれない『独自の世界観』

そもそも、独自性のある写真をアピールしたいのならSNSではなく、ポートフォリオサイトを使うべきだ。

なぜなら、SNSはフォロワーとの交流を目的としたツールになるため、どのアカウントもレイアウトが同じなので、他の写真家と差別化するのは難しい。

もちろんSNSを活用することも大事だけど、写真家として自分らしい世界観をアピールするならポートフォリオサイトじゃなければ伝わらない。

ポートフォリオサイトは、大きなサイズ、高画質な写真をアップすることができるので、自信のある写真の細部まで見てもらうことができる。

ポートフォリオサイトとは

そもそも、ポートフォリオサイトが何かというと、写真家、芸術家、デザイナーなどが、自身で作成した作品を企業やユーザーに向けてアピールするために、作品、実績、経歴、スキルなどをまとめたサイトである。

現在、写真家をしている僕のポートフォリオサイトはこちら。

ポートフォリオサイトとSNSは別もの

ポートフォリオサイトは、SNSのように気軽に毎日投稿するものではなく、作品が完成したら、制作日、作品テーマ、コンセプト、作品制作の背景を、企業やクライアントに向けて公開(アピール)するもの

例えば、僕のポートフォリオサイトのトップページは、新しく撮影した順番に公開していて、きになるカバー画像をクリックしてもらうと、その写真のギャラリーページへと移行して、該当写真をまとめて見ることができる。

一方SNSの場合は『投稿型』になっているので、古い写真がどんどん他のアカウントの写真に埋もれてしまうので、アピールには向いていない。

24時間365日営業してくれている

ポートフォリオサイトをもっていると、24時間365日休むことなく世界中に作品を見てもらうことができるので、自動で営業をしてくれているのと同じ

SNSはフォロワーと交流することを目的にしているので、作品をアピールすると売り込み感が出てしまって、フォロワーがどんどん離れてしまう。

だけどポートフォリオサイトは、自分の作品に興味をもった人がもっと色々な作品を見たくて訪れるサイトになるため、少しくらいの売り込みは気にならない。

なので一番効果的な営業方法は、SNSでフォロワーを増やしてポートフォリオサイトに誘導して、さらに作品に興味をもってもらう活用の仕方がいいだろう。

ポートフォリオの更新頻度

ポートフォリオの更新頻度の目安は『月に1回が理想』だけど、活動状況によって更新が遅くなる場合もあるので、それほど気にする必要はない。

新作や制作実績をメインに更新し、「なぜその写真を撮ろうと思ったのか」「その写真を撮った時のストーリー」などを伝えながら、自分らしい世界観のあるポートフォリオサイトにアップデートしていくことが大切である。

もちろん最初は、どうやってポートフォリオサイト作ればいいのかわからないので、まずは、参考になるポートフォリオサイトをたくさん見てイメージを固めていけばいい。

僕がよく参考にするサイトは、マイナビクリエイターというサイト。

イケてるポートフォリオサイトが20種類も見ることができるので、ポートフォリオサイトをつくる際に、とても参考になる。

イケてるWebデザインで作られたポートフォリオサイト20選まとめ
(引用元 : マイナビクリエイターのサイト)

ポートフォリオサイトは強い営業ツール

「クリエイティブ系の仕事をするなら必須」と言われるほど、とても重要なポートフォリオサイト。

たとえば、飛び込みで営業に行くと、相手から「まずポートフォリオサイトのURLを送っといて」と言われることも多い。

それは当たり前のことで、訪れた時間帯は相手にとって忙しい時間帯かもしれないのに、自分のことばかり考えて、いきなり作品集を出されたら迷惑でしかない。

そのような時の対策として、ポートフォリオサイトのQRコードを載せた名刺を渡しておけば、空いた時間にじっくりと作品を見てもらえる。

ポートフォリオサイトをもつデメリット

ポートフォリオサイトがあると、24時間365日オンラインで営業しているのと同じだが、デメリットもある。

ポートフォリオサイトを運営するのには時間と費用が掛かる。

サイトが重くならない程度に写真のサイズを縮小したり、作品を各ジャンルに分けて見やすく工夫する必要もある。

しかも、自分らしい世界観を出さなければ、他のポートフォリオサイトとの差別化ができず、どんどん埋もれてしまう。

あと無料で作成できるポートフォリオサイトもあるが、できることならオリジナルドメインを取得してオリジナリティーのあるポートフォリオサイトをもつ方が信頼感をもたれやすい。

時間と費用をかけるからポートフォリオサイトをつくる価値があるわけで、デメリット以上に「ポートフォリオサイトをつくっておいて良かった」とメリットを感じる方が大きい。

ポートフォリオサイトをもつメリットは次の3つ。

  • 自分らしい世界観を表現できる
  • 仕事につながりやすい
  • いつでも作品を見てもらえる

ポートフォリオサイトで自分らしい世界観をつくる

最近では写真家も、撮影した写真をSNSに公開して、仕事に繋げている人もいるが、そういった人は、もともと影響力があった上でSNSを活用して、さらにファンを増やしている。

無名のうちは、どんなに魅力的な写真をSNSに投稿しても、ファンを増やすことは難しい。

だから24時間365日、世界のどこからでも見てもらうことができるポートフォリオサイトがあれば、興味づけの部分をカバーできるだろう。

ポートフォリオサイトで大切なのは、独自性のある世界観を演出すること。

たとえば、僕のポートフォリオサイトは、明るめの写真が少なく、ほんのり暗めで笑顔のない写真が多。

その理由は、僕は『ほんのり暗めでネガティブな表情』に人間らしさを感じて、僕自身が心を揺さぶられるからだ。とくに、雨の日の人の表情には憂鬱さがにじみ出て、より人間らしさのある写真になる。

雨の日のポートレートを魅力的に伝える4つの方法について話している記事はこちら。

そして、僕はデジタルアート作家をしていることもあって、ポートフォリオサイトのトップページの最下部には、デジタルアートのカテゴリーもある。

このように『ほんのり暗めの写真』『デジタルアートのカテゴリー』を入れて、独自の世界観を作っている。

マーケティングのスキルでさらに知名度アップ

もう一度言うが、ポートフォリオサイトは24時間365日休まずに営業してくれているのと同じこと。それと並行してマーケティングをすることで、さらにファンが増えていく。

もちろんそれには「マーケティングの仕組みの知識」が必要になるが、もしマーケティングの仕組みをうまく活用できれば、あとは全て自動で集客することも可能になる。

ポートフォリオサイトがあればいつでも写真を見てもらえる

ポートフォリオサイトを制作するメリットの3つめは、相手の都合の良い時間帯にゆっくりと自由に写真を見てもらうことができる。

例えば、営業へ行った先が忙しいタイミングだった場合、ファイリングしたポートフォリオを「これ見てください」なんて言ったら、相手の仕事の邪魔になるだけ。

その点ポートフォリオサイトをもっていたら、名刺にURLやQRコードを載せておけば、相手の都合の良い時間にじっくり写真を見てもらえる。

「自分をアピールしなければ」と思う気持ちはわかるが、相手の状況や表情を見て話をすることも写真家にとって大切なこと。

京都の写真家リョウのポートフォリオサイトを見る

SNSでは伝えきれない部分がある

「わざわざポートフォリオサイトをつくるのは手間がかかる」
「最近はSNSがあるしそれを活用すればいいんじゃない?」

と思うかもしれないが、SNSとポートフォリオサイトでは作品の伝え方が変わってくる。

冒頭でも話したように、SNSの場合はレイアウトが決められているので、オリジナリティーのあるレイアウトを作ることができない。

それに、公開した写真はどんどん埋もれてしまうので、じっくりと写真の魅力を伝えることができない。

SNSは交流することが目的

SNSは作品をアピールするというより、フォロワーとの交流を目的とした使い方が効果的なツールになる。

SNSにはSNSに向いてる使い方があって、メッセージのやりとりや投稿に関するコメント、その日の出来事、自身の活動しているものに対する想いを発信して、共感してもらえる人を増やしていくことが主な目的になる。

企業のSNSを見ていると、毎回売り込みをしている訳ではなく、その企業が提供している商品の裏話やお得情報、気になる話などを発信している。

SNSがポートフォリオに向いていない理由

SNSがポートフォリオに向いていない理由についてご説明しよう。

インスタグラムでは、一眼レフと縦横の比率が変わるため、せっかく構図にこだわって撮影した写真なのに、SNに投稿したら印象が変わってしまうことがよくある。

Twitter(X)では、自分が撮影した自慢の写真が他の人の投稿ですぐに埋もれてしまうため、作品を見られる時間が極端に少なくなって認知されにくい。

もちろん、SNSをうまく活用して仕事をもらっている写真家も多くいるが、ごく稀なケースで、もともと知名度があるか、偶然にも投稿がバズったからで、SNSだけで仕事につなげるのは難しいのが現状。

写真家リョウのサイトの閲覧状況を公開

では、ここで思いきって僕のサイトの閲覧状況を公開しておこう。

僕の場合だが、下記のようにGoogleで検索してサイトを見にきてくれている率が『94.4%』、SNSからサイトを見にきてくれている人が、わずか『1.2%』。この意味がわかるだろうか?

つまり、ネット検索から僕のサイト『Coreator of Art』へ訪れてくれている人がほとんどで、僕のSNSからサイトへ訪れてくれる人はほとんどいない。

その違いは、ネット検索は何かに悩んでいる相手がその悩みを解決するために、僕の写真ブログを見て悩みの解決方法を求めている人。

SNSは、SNS上で写真を見てそこで満足しているため、わざわざサイトへ訪れてまで写真を見たいと思わない人が多いということ。

もちろん、SNSも活用の仕方によっては誘導率を上げることはできるが、企業アカウントやインフルエンサー、芸能人でない限り、SNSからサイトへの誘導率を上げることは難しい。

SNSでの売り込み投稿はスルーされる

SNSはプライベートなつながりを求めている人が多く、作品のアピールばかりの投稿は相手にとって「売り込み」と勘違いされてしまうため、フォロー解除されてしまうこともある。

もし写真家としてSNSを運営するなら、撮影の様子や写真家の日常の様子などを投稿して興味をもってもらい、プロフィール欄に貼り付けたポートフォリオサイトURLをタップしてもらう方がいいだろう。

ポートフォリオサイトは時間はかかるが価値しかない

ポートフォリオサイトを制作するのには、それなりに時間も費用もかかる。

例えば、次のような工程が必要になる。

  • 公開する写真を選定
  • Web閲覧に合うサイズ調整
  • 作品の説明
  • プロフィールページ
  • 撮影のコンセプトページ
  • SNSと連動
  • オリジナルドメインを取得
  • レンタルサーバーに契約
  • 有料版ポートフォリオサイトで作成

少なくともこれくらいは必要になるので、1人で制作するのには時間がかかる。

それに、サイト制作に詳しくない人だと、デザイナーにサイト制作を依頼する必要もあるので、その分、費用もかかってくる。

だけど、一度ポートフォリオサイトをつくってしまえば、あとは写真の更新やサイトの改善を繰り返していくだけで、慣れてくるとポートフォリオサイトの運営が楽しくなってくる。

撮影実績が増えてくると、ポートフォリオサイトがどんどん成長してくるし、ポートフォリオ掲載のために写真を撮影するモチベーションも上がる。そうすれば、自然と撮影実績が増えてくる。

では、ポートフォリオサイトを作るには、どのようなツールを使えばいいのか。

僕が使ってきたポートフォリオサイトの印象

僕はこれまでに、いくつかのポートフォリオサイト制作サービスを使ってきた。

例えば、有名なサイトで言えばこちら。

・Portfoliobox
・Tumblr
・Wix

どれも、レイアウトの自由度や文字のバランスがしっくりこなかったため、上記のサービスは全て解約した。

ポートフォリオサイトを作るのに一番向いているのは、WordPressで有料テーマを使うことだけど、なるべく費用をかけたくない場合は、次の項目のポートフォリオサイト制作サービスがオススメ。

簡単にポートフォリオサイトを作る方法

僕自身が使ってみて簡単にポートフォリオサイトが作れると感じたのが『Adobe Portfolio』だった。

実際に、現在もそのまま運営しているので、参考にのぞいてみてほしい。

正直、これしかないと思ってる。

Adobe Portfolioがオススメ

正直、僕がおすすめするポートフォリオ制作サイトは『Adobe Portfolio』の1択。

理由は、管理画面がシンプルで使いやすくレイアウトもシンプルで整っているからだ。


画像引用元 : Adobe Portfolioサイトより

Adobe Portfolioについて見てみる

AdobeのPortfolioはシンプルで使いやすい

僕が『AdobeのPortfolio』を使うと決めた理由は、次の3つ。

・操作がシンプルでレイアウトもそこまで気にならない
・画像間の余白も調整しやすい
・フォントもオシャレで見やすい

今後は、WordPressの有料テーマを使ってさらにレベルアップしたポートフォリオサイト制作も考えているが、もうしばらくは、AdobeのPortfolioを使っていこうと思う。

京都の写真家リョウのポートフォリオサイトはこちら

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