写真業の需要がどんどん薄れていく今の時代に、どうやって写真家として生きていけばいいのか。
最近よく知人と話すテーマが、
「スマホカメラの進化について」
「加工アプリのクオリティーが高く誰でもオシャレな写真が作れるようになったことへの対策」「AIの普及で簡単に合成もできてしまう」
「これからの写真家の未来」
についてである。
つまり、クオリティーの高い写真を誰でも作れる今の世の中で、写真家としてどうやって生き抜いていけばいいのか。と言う議論をかれこれ3年ほど続けているが、その答えがなかなか見つからない。
今の時代は『奇跡の1枚』と言うコンセプトだけで写真の依頼を撮ることは難しくなってきていて、スマホ写真愛好家にどんどん追い越されているのも事実である。その原因となったのが『SNSの日常化』だろう。
今の時代に写真の技術を争ったところで、若い世代に受けるような写真映えする写真を撮っても差別化することはできないし、若い世代のセンスにはかなわない。
もちろん写真家が持つ一眼レフは、スマホ以上に綺麗な画質や背景のボケをオシャレに撮ることはできるが、センスのあるスマホ写真愛好家のような、手軽で楽しく仲間が増えるようなバズる写真と言ったコンセプトとは少し違うため、需要を感じてもらえない。
それを考えると、スマホ写真愛好家たちの悩みや欲しい情報を発信することも写真家の役割なのかもしれない。
ただ写真を撮るだけでは難しい時代
今の時代にわざわざ写真をプリントして見る人は少なく、ほとんどの人がスマホやタブレットを通じて写真を見てその写真をオンラン上で共有することが日常的になっている。
これは、写真を撮る目的が「写真をプリントしてアルバムを作る」から「SNSに投稿してフォロワーを増やす」に変化して、さらに「AIで加工して写真のセンスを自慢する」に変わってきている。
ということは、
一般ユーザーをターゲットにするなら、記念写真を撮るだけではなく、写真の撮り方や写真の加工の仕方を発信する方が興味をもってもらうことができる。
企業をターゲットにするなら、顧客につながる写真を提案するスキルが求められる。
インフルエンサーをターゲットにするなら、フォロワー数が増える魅力的な写真の撮り方も必要になる。
例えば、下記のようにインフルエンサー向けの情報を発信することも、これから写真家を目指す人の役目である。
コンセプトを上手く方向転換する
だけど、ここで新たな問題が出てくる。
これまでに『奇跡の一枚』をコンセプトにしていた写真家が、急に方向性を変えてSNSに魅力のある写真の撮り方をコンセプトにしたところで、写真の撮り方を教えた実績のない写真家には興味をもってもらうことはない。
人に何かを教えるには、まず自分が経験しながらそのストーリーを伝えていくことで、コンセプトを自然に方向転換させることができる。
写真に興味がある人へ写真の撮り方についての情報を発信し、興味をもってもらて直接交流する。つまり、これからの写真家に必要なスキルは「マーケティングのスキルを学ぶ必要がある」と言うことになる。
マーケティングの身につける重要性
これからの写真家に必要なスキルは『マーケティング』と言ったが、そもそもマーケティングが何かについて簡単に説明してみると、次のような感じになる。
かなり噛み砕いて僕の言葉で伝えてみたが、理解できただろうか?
例えば、SNSの投稿に「写真撮影のご依頼お待ちしております」とアピールすると、何人の人が依頼するだろう?おそらく『0人』ではなだろうか。
もちろん、有名人のように知名度があったりインフルエンサーのように影響力を与えている人なら話は別だが、無名の写真家が突然SNSの投稿に「依頼ください」と発信しても、どこの誰か知らない人に依頼なんてしないはずだ。
ではどうすればいいのかと言うと、ターゲットにしているユーザーが心から「応援したい!」と思える人にならなければいけないのである。
「難しすぎる!」と言う声が聞こえてきそうな話だが、ターゲットにしているユーザーが個人に「お金を払ってでもお願いしたい」と思うのは、その人の想いに共感できるからである。
スキルを身につける時間はある
僕も最初は「今からスキルを身につけるなんて時間的に厳しい」と思っていたが、思いきって行動してみると、時間はなんとでもなることがわかった。
実際に僕は40代になってマーケティングのスキルを学んだが、それなりに成長できている部分もある。
例えば、マーケティングの仕組みを構築するのに効果的なのが『ブログ』である。
人の役に立つ情報を発信して興味をもってもらい、その人たちと交流して信頼関係を深めていく。だけど、この『ブログ』でつまずいて、マーケティングの本質を知らないまま夢を諦めてしまう人が多い。
ブログの役割は、人を集める場所を作ること。
確かにブログ運営には、それなりにリスクがあって、検索が上位表示されなければ見てもらえないし、ある程度の文章力が必要だし、記事を書くのに時間も神経も使うだろう。
僕は現在、写真家として4つのサイトを運営していて、その中で『ブログ』と呼ばれるサイトは2つある。
まず、今あなたが読んでくれているこのサイト『PHOTOGRAHER RYO(Creator of Art)』。
そして、芸術についての情報を発信しているブログ『理想的芸術生活』である。
あとの2つはブログではなく、公式サイトのようなものなので今回は割愛して、また改めてお話ししようと思う。
そんなブログを6年間続けてきたから言えることだが、最初の1年がとても大変で、それを超えると記事の更新頻度を落としても、ある程度、検索上位のまま残すこともできる。
2つの記事のテーマやコンセプトを変えて運営するのはとても大変だが、コツさえつかめばバランスよく運営することができて、2つをつなげて仕組み化すれば、それがマーケティングの土台となる。
もちろんブログ運営は必須ではなく、マーケテンングや仕組みを理解しているなら、SNSだけで仕組み化することはできるが、僕の場合はブログに集中していたので、圧倒的にブログからの流入が多くなっている。
下記のGoogleアナリティクスを見てもらうと『google / organic』からの流入が一番多く、続いて2番目に『yahoo』、その下の6番目に『Insytagram』がある。
『google / organic』とは、Googleで検索して当サイトに流れてきた人と言う意味で、何かしらのキーワードで検索をして当サイトにたどり着いた数を表している。
当サイトに関して言えばSNSからの流入は低いものの、Google検索でのアクセスに需要があるといった分析結果となっている。
一方で、SNSからの流入が少ないと言うことは、SNSの投稿頻度をあげたり、興味を持ってもらえる投稿をすれば、さらに流入数を増やすことができることが想定されるだろう。
と言う結果が出たことで、僕は今SNSにも力を入れていて、ある仕組みを構築している。その仕組みについて少しだけ言うと、次のような仕組みになる。
① フォロワー数が一番多い『Lemon8』に投稿
↓
② Lemon8から『TikTok』にスライドショーとしてシェアする
↓
③ 『Instagram』にも同じ画像を投稿
これが結構閲覧数が良くて、Instagramのフォロワーも少なからずだが増えて、TikTokの『いいね』も付き始めている。
TikTokに関しては、アカウントは作っていたが、しばらく放置状態だった。ただ、Lemon8と同じ会社が運営しているため「もしかしたら活用できるかも」と思って使ってみたところ、効果がでてきた。
その使い方については、また別の記事でお話ししますが、これも一種の『マーケティング』である。
最後に
これからの写真家に必要なスキルについて話してきたが、これからの写真家は、ただ奇跡の1枚を撮るだけでは難しい時代になってきているのは事実。
これからの写真家は、SNSでバズる写真の撮り方や投稿の仕方をレクチャーしたり、企業と共に顧客に伝わる写真コンテンツを提案するスキルが求められるだろう。
そして相手が「自分にとって今必要なもの」と思ってもらうために、マーケティングのスキルが必要でそれを仕組み化して回していくことが、これからの写真家が理想のフォトライフを過ごす秘訣だと感じている。
そんな写真を撮るには、ストーリー性のある写真を撮ることが大事で、顧客が『自分ごととして感じる写真撮影』を企業は求めている。
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