写真家としての「個性」とは? 他人と差別化するために必要なこと

「あなたにとって『写真の個性』とは何ですか?」そう聞かれたら、あなたはすぐに答えられるだろうか?

突然そのような質問をされると、僕でもすぐには答えられないかもしれない。

今の世の中、SNSを見れば素晴らしい写真がたくさん流れてくるし、AIの進化によって写真のスキルがなくても芸術家のような作品を生成することだってできる。

もちろん、下記のような作品だとそれなりに技術が必要になるので、簡単にはつくることはできない。

MUさんをモデルにしたデジタルアート作品

だけど、下記のような作品なら生成AIだけでつくることができる。

そんな芸術的な写真がつくれるようにもなったのに、ただ上手な写真を撮るだけでは他の写真に埋もれてしまうのではないだろうか。

ではどうすれば「自分らしさ」のある写真で、他の写真家と差別化すればいいのか?

そもそも『個性』とは、どこから生まれるものなのだろう?

今回は、僕なりに写真家としての個性をどう育てるかを考えてみた。

個性が生まれる要素とは?

個性とは、特別な才能がある人だけがもてるものではないと僕は考えている。

なぜなら「技術」×「視点」×「表現」の掛け合わせで生まれるものだからだ。

技術・撮影技術

撮影技術においては、光の使い方、構図の選び方、色のバランスなど、同じ被写体を撮っても、技術の違いで印象はまったく違ってくる。

・光の強さ
・影とのバランス
・日の丸構図
・三分割構図
・彩度を上げた写真
・ほんのり色を付けた写真

少し考えただけでも、これくらいの違いがある。

視点・テーマ

視点やテーマとは「何をどう撮るか?」ということを追求してイメージしたものではないだろうか。

たとえば街のスナップ写真を撮るときに、活気ある人々を撮るのか、それとも静かな街角を切り取るのかで写真の印象が変わって、その写真のもつ意味も変化する。

視点やテーマを考えることで、独自の世界観を表現することができるだろう。

表現方法

表現方法も人によってそれぞれあり、編集やレタッチの工夫も個性を生む大きな要素だといえるだろう。

フィルム風の色味にしたり、

モノクロでドラマチックに仕上げたり、

ハイコントラストで力強さを出したりと、表現の仕方は無限に広がる。

以上を踏まえると、『個性とは生まれもったものではなく磨いて身についていくものだと言えるのではないだろうか。

他人と差別化するための実践方法

では具体的に、どうすれば『自分らしい写真』を表現することができるのだろう?

他人と差別化するためには、次の要素を写真に落とし込むことで、他人と差別化することができるだろう。

自分の『好き』を深掘りする

「自分はどんな写真が好きなのか?」
「なぜその写真に惹かれるのか?」

まずは、自分の好きな写真を集めて共通点を見つけてみよう。

たとえば、僕は「シネマティックな雰囲気」「どこか影のある世界観」に惹かれる傾向にあるようだ。

写真家でいうなら、ニューヨークが生んだ伝説の写真家『ソール・ライター』のような写真だ。

日常の中に隠れた魅力的なストーリー。その一瞬を捉えたソール・ライターの写真は、鳥肌が立つようなシネマティックな世界観がある。

まさに、写真が生きていて、たった一枚の写真なのに映画のストーリーを観ているようだ。

僕はそんなソール・ライターの写真をじっくり観察し、自分の写真へと落とし込んでいる。

「真似る」から「自分流」にする

これも『好きな写真』とよく似ていて、最初は憧れの写真家のスタイルを真似するといいだろう。

どんな構図で、どんな質感を出しているのか。光と陰をどのように意識して撮っているのか。

正直にいうと、写真は考えて身につくものではく、好きな写真家の写真を真似することから入り、それをどんどん自分のスタイルに落とし込んでいくのである。

コンセプトを持つ

「どんな写真家になりたいか?」を明確にすることで、自分らしい写真へと成長してく。

たとえば、僕は「映画のワンシーンのようなシネマティックな写真を撮る」ことをコンセプトにしていて、自分の好きな映画の質感をイメージして人物や風景を撮っている。

少しザラついた質感、全体的にほんのり暗い写真。映画のシーンを切り取ったような構図。すると、そのコンセプトに沿って撮る写真もどんどんそのイメージに染まっていく。

写真を撮ることだけに限らないが、コンセプトを決めることは、何をするにおいても軸をしっかり固めるのはとても重要だ。

『個性』を表現するために意識したいこと

個性を表現するためには、次の2つのことを意識すればいい。

・ストーリーを意識する
・ブランディングを意識する

ストーリーを意識する

写真はただの記録ではなく『語るもの』である。

たとえば、雨の街角でたたずむ人物の写真。

大阪の街で傘をさす女性

その表情や構図が、その写真を見た人に「この人はどんな気持ちなのだろう?」と想像させることができたなら、それは物語性のある写真になるだろう。

たとえそれが寂しそうに見えたとしても、雨を楽しんでいるように見えたとしても、その写真を見た人が想像した雨の日の物語である。

ブランディングを意識する

ブランディングを意識すると、自分にしかない個性をつくり上げることができる。

SNSやポートフォリオサイトを統一感のある雰囲気にすることで「〇〇といえばこの写真家」と認知されやすくなる。

写真だけでなく、発信する言葉や世界観も含めて、自分をブランド化していくことで、それが自分らしい『個性』となる。

まとめ:個性は育てるもの

個性は 一瞬でつくり上げるものではなく、試行錯誤の中で生まれるものである。

焦らず、時間をかけて自分の『好き』を突き詰めていけばよく、それが自分の『個性』へと成長し、誰にも真似できない強みとなるだろう。

他人の評価に振り回されるのではなく「自分が撮りたい写真」を大切にすること。

そうすれば、自分の写真は自然と『自分らしいい写真』を撮ることができる。

「あなたが撮る写真のコンセプトは何ですか?」

ぜひ、この質問の答えを具現化するために、コメント欄に書いてみてください。

きっとあなたの個性が見えてきます。

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