旅は人を変えると言うが、その通りだと僕は思っている。
旅を通じて感じたことの一つに、誰かと共有する時間の大切さがある。
旅は新しい人と出会い、新しいアイデアが生まれることも多い。
実際に僕は2025年になって、東京のモデルさんと作品撮りをする機会が増えたが、視野が広がって、東京での写真家活動を広げることができている。
ただ今回は、僕がつくった写真作品についてのストーリーを届けたいので、東京での活動の話は下記の記事を読んでほしい。
まずは、こちらの話を読んでほしい。
「旅人が見た夕暮れ」
ある旅人は、世界を旅しながらさまざまな地域で夕暮れを見てきた。
金色に輝く夕暮れ。
オレンジ色に照らされた絵画のような雲と夕暮れ。
だけど、どんなに美しい景色を見ても「心が満たされない」という悩みを抱えていた。
一人で自由に過ごせているとは言え、心のどこかで「このままで良いのか?」と疑問に思っているのだろう。
そんなある日、少し高くなった丘で夕暮れを見ていると、そこで偶然に出会ったおじさんが、次のように話しかけてきた。
「本当に美しい夕暮れは、誰かと一緒に見るものだよ」
そう微笑みながら話すおじさん。さらに、自分が過去に病で倒れたことを話し始めた。
脳梗塞を患い、数年間からだの半分が痺れて、思うように動けなかったそうだ。
今、目の前で見ていると、そのような症状があったように見えないほど、自然に話している。
そのおじさんは、毎日夕暮れを見るためにこの場所まで歩いて訪れていると言う。
聞けば2キロは歩いているようだが、毎日2キロ歩くのは結構大変だろう。
そう思っていると、僕の現状を察したかのように、おじさんが話を続ける。
「夕暮れ前になったら、毎日自宅からこの場所まで妻と一緒に歩いて夕暮れを見に来ているんだ」
それを続けたことで、麻痺がなくなり、今では普通に生活ができているとのこと。
その言葉に心を動かされた旅人は、自由であてもない旅をやめて、3年ぶりに故郷に帰る決意をした。
そして数日後、家族と共に見た夕暮れは、それまでのどんな景色よりも温かく、美しく輝いていたそうだ。
実話が元になった心温まる話
この話、実は僕が以前に「note」で公開した話が元になっているが、 脳梗塞で倒れたおじさんも実在するし、この時見た夕日は、とても印象に残ってる。
Link▶︎写真撮り歩きをしたことで「まだまだこれから!」と思えた話。| note
この夕暮れを見ると、脳梗塞で倒れたおじさんが毎日元気に歩いている姿を思い出して、自分の抱えている悩みがとても小さなものに感じて、なんでも乗り越えれる。
僕が撮ったこの夕暮れの作品には、旅人が感じる”温かさ”を想像して撮った写真になっている。
あと数分で夜になろうとしている暗い空の一部に、優しく照らされたオレンジ色の雲が、旅人の心を癒す。
今にも聞こえてきそうな波の音と一緒に、心を休める時間をつくってみよう。
Link▶︎『旅人が見た夕暮れ』#19
コメント