僕が撮る写真をジャンル分けすると『アート写真』に入るが、そもそもアート写真ってどんな写真なのかご存じだろうか?
そんなアート写真の魅力と一般的な写真との違いについて、少し整理してみよう。
目次
アート写真とは
アート写真とは、芸術的に表現した写真でその人らしい独自の世界観があり、とくに決まりはないが写真家の表現したい世界を写真に落とし込んだ写真が『アート写真』である。
例えば、僕が好きなニューヨークが生んだ伝説の写真家ソール・ライターも、僕からすればアート写真に入る。
これらをまとめると、アート写真は記録写真や記念写真とは違い、視覚的な美しさや感情、メッセージを伝えることを目的とした写真であると言えるだろう。
アート写真の特徴
アート写真には、以下のような特徴があると考えられる。
・感情やメッセージ性がある
・技術と美的センスの組み合わせ
・多様性とインスピレーション
表現性と創造性
アート写真は、作家の個性や視点が強く反映されるため、決められたルールと言うものがない。
芸術的な視点から、独自の表現、構図、色彩、光の使い方などを通じて一つの作品を創り出すため「この人の写真じゃないと飾りたくない」と思ってもらうような写真にならなくてはいけないのである。
だからと言ってただオリジナリティーを出した写真を撮るだけではなく、高額でも写真を購入してくれるコアなファンを作ることがアート写真の価値につながり、さらに「この写真家が撮る写真だから価値がある」と思ってもらうことが必要だ。
感情やメッセージ性がある
アート写真には写真家のその時の感情や伝えたい事、あるいはメッセージ、作品に対する想いが込められているものが多い。
撮影された被写体(人物)、風景、光の表現など、その写真を見る人の心感情や思考を揺さぶり、行動へとつなげると、どのような価値があるのかを伝えるための写真作品が多いのも特徴的の一つである。
それに、ストーリー性を感じる写真も「アート写真」の一つと言えるだろう。
技術と芸術的センスの組み合わせ
アート写真には、技術的なスキルと独自で磨き上げた芸術的センスが組み合わさって、はじめて作品のクオリティが上がる。
技術的なスキルは、撮影技術、画像処理のスキル、または写真撮影における独自の世界観をどう表現するかがポイントになり、芸術的センスは、これまでに過ごしてきた人生の中から印象に残ったことをどのように表現して、どう伝えるかがポイントとなる。
自由な表現とインスピレーション
アート写真は、カタチにとらわれず自由な表現をすることができる。
風景、ポートレート(人物)、抽象的、あらゆる角度から自由に物事を見て主張したい作品など、この世界のアート写真には幅広いテーマやスタイルが存在していて、。芸術作品として視覚的な魅力や深い意味を持つものである。
写真家の個性や視点が写真に反映され、その写真を見た人の心の中にある感情を行動として外に出すキッカケにもなるだろう。
アート写真に需要はあるのか?
アート写真の需要はあるのかと聞かれれば、年々その需要が高まりつつあると答えることができる。
近年、アート写真は芸術としての評価が高まり、多くの人々がその美しさや表現力を楽しむようになっているが、その背景には、スマホの普及や一眼レフを持つ人が増え「写真」と言うカテゴリーに興味を持ちやすくなったことが理由として考えられている。
そんなアート写真には、次のような需要がある。
・コレクションとしての価値
・オンラインプラットフォームの普及
・芸術としての認知度の向上
インテリアデザインへの活用
アート写真は、インテリアデザインにおいて壁面を飾るアクセントとしてとても効果的で、美しい写真や芸術的な写真は、家やオフィスなどの空間を魅力的に演出し、仕事や商談をしやすい空間をつくり出してくれる。
さらに身近な場所にアート写真が飾られていることで、あらゆる角度から物事を考えるようになり、インスピレーション(アイデア)の幅が広がる。
コレクションとしての価値
アート写真はコレクションとしても、とても人気があり、写真家の作品や特定のテーマに焦点を当てたアート写真は、アート愛好家やコレクターの間で価値が認められている。
アート写真は、高額で売買されたりオフィスに飾られたり、その市場はどんどん広がりを見せている。
オンラインプラットフォームの普及
インターネットやソーシャルメディアの発展により、アート写真(芸術作品)は、より広いユーザーの元に届けやすくなった。
オンラインでの販売が日常的になり、額装とセットでの購入できたり、高品質の印刷技術「ジークレー」の注文をしやすくなり、世界中の人々にアート写真を届けやすくなったことで、その需要が高まっていると言ってもいいだろう。
芸術としての認知度の向上
アート写真は、芸術の一つの形として幅広く認知されつつあり、美術館やギャラリーでの展示、写真コンテスト、アートイベントなどを通じて「アート写真」というジャンルも「価値のあるもの」「魅力的なもの」と認識され、独自性のある写真を撮影したストーリーを語ることで、そのアート写真の魅力がさらに上がります。
このような理由から、アート写真に対する需要が高まり、写真家やアーティストの作品は、美的な観点や個々の好みによって、さまざまな形で支持されるようになった。
最後に
今回は写真家として活動をしている僕自身も初心にかえって「アート写真」について話してきたが、アート写真の魅力が伝わっただろうか。
現在は「写真で生活をしていくことは難しい」と言われることが多いが、写真に興味を持つ人は年々増えているので、写真の需要がなくなったわけではない。
スマホの進化、一眼レフの普及率が高まってきたことで、「写真」という市場はどんどん広がりを見せている。ただ、今まで通りの「一般記念写真」で差別化することが難しくなってきたのは事実だろう。
大事なのは「写真」と言う大きな市場の中で、どうやって自分のファンを増やすかと言うこと。そこで差別化ができれば、競合が多い一般記念写真でも生き残っていくことができるはずだ。
市場はあくまでも大きく、その中で自分らしい世界を作って、企業にも個人にも負けない仕組みを作ることが大事だと僕は考えている。
写真家リョウの額装作品
Edition coa#12
日常の中に見つけた
アートな世界。
シンプルで心にゆとりが生まれる
額装写真。
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