2024年11月に、『JR有楽町』駅近くの東京国際フォーラムに、東京でモデルをされている『MU(ミュー)』さんとシネマティックな写真を撮ってきた。
東京国際フォーラムは、都内でもフォトジェニックなスポットとして知られていて、プロ・アマ問わず、多くのフォトグラファーが利用するほど人気の高い撮影スポット。
今回の記事では、撮影スポットとしての東京国際フォーラムの魅力、クリエイティブなモデルMU(ミュー)さんの紹介、僕が実践した写真の撮り方を公開しようと思う。
目次
東京国際フォーラムの魅力〜光と影が織りなす空間〜
東京国際フォーラムの建物は、ガラス張りの構造が特徴的で、時間帯によって光の入り方が変わるため、撮影するごとに異なる雰囲気の写真が楽しめる。
特に、午後の柔らかい自然光が差し込む時間帯はモデルの表情をやわらかく映し出すのに最適だと言われているようだが、今回は、午前の撮影と言うこともあって、どうしても館内に影ができてしまう。
だけどその影が、今回のモデルMU(ミュー)さんの表情をさらにシネマティックにしてくれたので、午前中の撮影も結構いいものだと感じた。
そんなことを考えながら、モデルMU(ミュー)さんと建物の中を歩き、光と影が交差するポイントを探す。
本記事内でも数枚写真を公開しているが、シネマティックで魅力的な写真が撮れたのは僕の力だけではなく、モデルMU(ミュー)さんのクリエイティブな表現があるから完成するもの。
今回、僕が撮影をさせてもらったモデルは、東京でのクリエイティブ活動がどんどん広がっている『MU(ミュー)』さん。
彼女の表現の魅力は以前から気になっていたが、実際に撮影をしてみると「素晴らしい」という言葉だけでは語れないので、この後で紹介しようと思う。
まずは今回、東京国際フォーラムでモデルを撮影する上で意識したことついての話をするが、その内容が必要ない場合は、下記のリンクをクリックするとモデル紹介の項目へ飛べる。
撮影時に意識したこと〜構図と光を工夫する〜
今回は、東京国際フォーラム独特の雰囲気を活かして、構図を意識したり光と影をどのように入れるかを考えながら撮影。
例えば、館内の長いガラス廊下を背景にモデルを配置することで奥行き感がでて平面的な感覚をなくしたり、ガラスに反射した姿、午前にガラス天井から差し込む光を使ったりして、クリーンでシネマティックな写真を撮るように意識した。
撮影設定としては、50mm単焦点レンズで絞りを『F1.8〜2.5』に設定し、モデルにフォーカスを合わせつつ、背景に柔らかなボケ感を入れることで被写体が引き立つようにした。
それに、ガラス天井から差し込む光を利用して、ローアングルからモデルを撮ることで、朝の爽やかな感じを演出する事もできる。
さらに、館内のアスファルトにできた影と光を上手く使えば、ドラマチックな世界観も出るし、ガラス越しにモデルを撮ることで、外の写り込みが映画のワンシーンのようにストーリーが生まれる。
編集でシネマティックな雰囲気をプラス
撮影後の編集では、少し暗めのトーンやフィルム風の色味を追加することで、シネマティックな雰囲気を出す。
いつもレタッチするときは、AdobeのLightroomを使用して影のディテールを強調したり、グレーディングを調整したりして映画のワンシーンのような写真に仕上げて、さらに、SNSに投稿しやすいようにサイズや画像の比率も調整している。
ちなみに、インスタグラムのフィード投稿で対応可能なサイズはこちら。
・横長=w1080 x h566px
・縦長=w1080 x h1350px
・正方形=w1080 x h1080px
レタッチ、カラー補正、構図の調整など全ての工程を終えるのに、いつも約1週間ほどで完成するが、早ければ1〜2日でモデルに納品することもあるけど、決して手を抜いているわけではない。
例えば、単純でどの写真にも共通する作業をする場合は、作業効率を上げるために独自で作成したプリセットを使い、肌の質感、細かな色温度の調整、いらないものを消す作業は1枚ずつ丁寧に補正してる。
今回の納品枚数は140枚ほどだけど、僕がSNSに投稿する予定の写真も一緒に共有しておくと、モデルも写真のチョイスがしやすくなるだろう。
モデル『MU(ミュー)』さんの紹介
では今回、東京国際フォーラムで撮影をさせてもらったモデルの紹介をしておこう。
今回のモデルは『MU(ミュー)』さん。
東京の企業で『葵美月(アオイミズキ)』としてディレクターをされていて、音楽活動もされているクリエイティブなモデル。
『月』が好きな方で、実際にお会いすると本当に夜の空に浮かぶ、優しい光をはなつ月のような存在の人。
以前に僕が京都でデジタルアート展を開いた時に楽曲の提供をしてくれて、「ギャラリーの中で使用する楽曲としてMU(ミュー)さんの作成された曲を使わせてほしい」と相談したところ、快く承諾してくれた優しいモデル。
さらにクラウドファンディングでミニアルバムを作成する企画に支援して、リターンとしてミニアルバムを送っていただいたこともあった。
※以前にクラウドファンディングで作成されていたミニアルバム『yoake』
「いつか直接、個展の時のお礼を言いたい」と思っていたので、今回の東京撮影がちょうど良い機会になった。
MU(ミュー)さんに会った印象は、僕が想像していた人とは違っていた。
もちろん良い意味だけど、SNSの写真で見ていた印象は『クリエイティブな人で寡黙で想いの強い人』だったが、実際に目の前で話してみると『和やかなオーラを持つ自然体でどんなことにも興味を持つクリエイティブな人』だった。
好奇心があり、オシャレでクリエイティブな感覚を持っているが、時々見せる少女のような顔が安心感を与えてくれる。
冒険心もあって、いろいろなことにチャレンジしている姿は、カッコイイとすら思える。
もしかすると僕は、東京の人の印象を『真面目で少し硬い人が多い』と思い込んでしまっているのかもしれない。
大阪や京都の人たちとはまた違った『和み系モデル』で、話をしていても自然体になれたので、以前から友達だったかのような感覚になってしまった。
だけど撮影が始まると一瞬でモデルの顔になる。
僕は緊張を和らげようと撮影中にも話をしたが、それが表現の邪魔になっていると自分で感じて、黙々と1時間の撮影を終えた。
あっと言う間の撮影で物足りない感じはあるけど、その物足りない感覚を残して、次回の目標にしようと思う。
そんなMU(ミュー)さんの印象を言うなら『関わった人がポジティブになれるオーラをもつ人』と言った感じで、僕はそのオーラのおかげで心の疲れがとれた。
モデルとのコミュニケーション〜自然な表情の引き出し方〜
今回のモデルMU(ミュー)さんとの撮影では、僕の方がリラックスさせられたが、モデルの自然な表情を引き出すのは写真家の役目で、特にフリーでモデルをされている人との撮影では、自然な表情を引き出すためにリラックスできる雰囲気作りが大切だと思っている。
撮影が始まる前に会話をすることはとても大切なことで、相手がSNSに投稿している写真の感想を話したり、どんな写真をイメージしているのかを伝えたり、好きなものを聞き出すのも自然な表情を引き出すコツ。
例えば僕の場合は、MU(ミュー)さんとのこれまで(過去)のやりとりについての思い出を話した。
僕はこれまでにMU(ミュー)さんと何度かメッセージのやり取りをしたことがある。SNSへのコメント、個展で使用するMU(ミュー)さんの曲についての相談、クラウドファンディングでのメッセージのやりとりなど。
だけど、実際に会うのは今回が初めてだったので、もしかしたらMU(ミュー)さんも緊張しているんだろうと思って、有楽町の駅で会った瞬間から過去の思い出を話した。
もちろん、これまでのお礼も伝えようとも思っていたので、僕的には東京へ来て良かったと思っている。
撮影前に、これまでのやり取りの思い出を話したり、写真のイメージを伝えたりしながら動きやすい空気をつくることを意識した、、、つもりだったが、緊張していたのはむしろ僕の方だった。
最初の2〜3枚はカメラの設定がうまくいかず、少しモタモタしてしまったが、MU(ミュー)さんの自然体な感じにだんだん落ち着きを取り戻して、その後の撮影もスムーズに進めることができた。
有楽町・東京国際フォーラムで撮影した感想
今回は、実に有楽町の東京国際フォーラムの撮影で学ぶ事が多かった。
東京で写真活動をする意味、人への接し方、写真技術に必要なことなど、これまでに当サイトでも話してきたこともあるが、振り返ってみると、書店でも見れるハウツー本のような内容ばかり発信していたのかもしれない。
だけど当サイトは、ハウツー本のような内容ばかりを発信せずに、写真家としての想いや考え方についても共有して、楽しく読んでもらいたいと思っている。
おかげで、当サイトは東京からの閲覧数がどんどん伸びていて、以前に書いた、雨の日に東京撮影をした意味がもあったし、今回の東京国際フォーラムでの撮影も、すごく価値のある経験になった。
前回の、雨の日の東京写真撮影の記事はこちら。
目標を立ててそれに向かって行動し、それを継続することで自分が目指している世界にたどり着く事ができる。
東京での写真活動は、とても価値のあるということを知ることができた撮影だった。
あっ、そうそう、僕は以前にデジタルアート作家として活動をしていた(現在もちょくちょく)こともあり、今回の東京撮影の思い出に、MU(ミュー)さんの作品をつくって贈りました。
モデルMU(ミュー)さん、ありがとうございました。
写真家リョウの額装作品
Edition coa#11
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