写真技術というものは、「撮影技術を習得した」とか「これ以上学ぶことはない」といったことはなく、永遠に学び続けるものだと思います。
なぜなら、時代によって写真の魅力というものは変化するからです。
そこで今回は、『フレーミング・構図・画角』についてお話ししようと思います。
「いつも自分の写真にしっくりこない」
と悩んでいる人は、本記事を読んで『フレーミング・構図・画角』の違いと、効果的な使い方の参考にしてください。
目次
フレーミング、構図、画角の違い
あなたは『フレーミング、構図、画角』の違いを把握できていますか?
その違いを理解して、写真に落とし込めていますか?
この2つが曖昧なままだと、いつまでたっても自分らしい写真を撮ることは難しいでしょう。
『フレーミング、構図、画角』を理解し、使い分ける事ができれば独自性のある写真を撮る事ができるはずです。
ということで、僕もあなたと一緒に『フレーミング、構図、画角』について振り返ってみたいと思います。
フレーミングは写真の枠を決める役割がある
まず『フレーミング』とは、写真の中に何を入れて何を外すかを決めることだと僕は認識しています。
例えば、窓越しに人物を撮影することを考えた場合、窓枠そのものをフレームとして考えて、見る人の視線を被写体に集中させるように工夫します。
では『フレーミングの魅力』とはなんでしょうか?
それは頭の中で描いている、“自分らしいストーリーを再現すること”だと思います。
フレーミングのバランスが、頭の中で描いている世界と合致した時、初めて写真にストーリーが生まれます。
何も考えずに目の前の被写体をなんとなく写すより、フレーミングを意識して映した写真は、映画のワンシーンを切り抜いたような写真になります。
それが『フレーミングの役割』ではないでしょうか。
では、そんなフレーミングを写真にどう活かせばいいのか。
フレーミングを活かす3つのコツ
そこで『フレーミングを活かすコツ』とは何かを考えると、次の3つの要素が見えてきました。
・前景を活用して奥行き感を出す
・余白にストーリーが生まれる
では、一つずつお話ししましょう。
日常的なフレームを探す
街中や自然の中には、フレーミングに使える要素がたくさんあります。
例えば、公園の木々の間から覗く風景やカフェの窓越しに撮ったスナップ写真など、日常の中にはたくさんのフレーミングが存在します。
前景を活用して奥行き感を出す
フレーミングには、写真に奥行きを作り出す効果もあり、花や草を前景に入れて撮影することで写真全体がより立体的に見えます。
これも『フレーミング』が生みだす魔法ではないでしょうか。
余白にストーリーが生まれる
被写体を画面中央に配置するだけではなく、あえて余白をつくることで、視線を意図的に誘導することができます。
それは、写真を見る人がその余白に見えないストーリーを想像させる魔法になります。
特にフレーミングを意識する場合は、この『余白』をどのように使うのかによって写真の印象がガラリと変化します。
このように、3つのフレーミング要素を意識した写真がこちら。

モデル : レナさん
フレーミングを工夫するだけで、いつもの何気ないシーンが特別な瞬間に変わります。
これが『フレーミングの魔法』です。
構図は視線を導く設計図
次に『構図』は、写真全体のバランスや視線の流れを設計するもの。
簡単に言うと、写真の中で「どこに何を配置するか」を決めることで、視覚的なルールや工夫によって、見る人の目線を自然に被写体に誘導したり全体の雰囲気を調整したり。
写真を撮るとき、どのような構図で撮れば写真に魅力がでるのか。
それには次の3つの構図を意識することで、写真の魅力を上げることができます。
覚えておきたい3つの基本構図
次の3つの構図が写真撮影でよく使われる構図で、バランスの良い写真を撮ることができるでしょう。
・対角線構図
・日の丸構図
三分割構図
写真を縦横それぞれ3分割し、交わる点に被写体を置く構図ですが、この『三分割構図』については、以前にも話している記事があるので、そちらをご覧ください。
これにより、自然でバランスの取れた写真が撮れます。
例えば、夕日を撮る際には、地平線を下3分の1のラインに配置すると美しい広がりが感じられます。

僕の写真の多くが、この三分割構図で撮られているんです。
対角線構図
被写体や線を対角線に沿って配置することで、動きやダイナミックな写真を撮ることができます。
とくに、都会の街並みや列車の線路を撮影する場合に効果的で、中央に人物を配置することで、視線を集中させることができるので『集中線』とも言われています。

日の丸構図
あえて被写体を写真の中央に配置する構図で、主題を強調したいときや、対称性を活かしたいときに効果を発揮する構図です。
いわゆる、日本国旗のような構図。
建物を撮るときやポートレート撮影に適していますが、僕はあまり日の丸構図を多用しません。
その理由は、日の丸構図ばかりの写真を撮っていると、変化がなく退屈な写真になってしまうからです。
僕が日の丸構図で写真を撮るときは、安心感や静けさを表現したい時です。
被写体が中央にあるとバランスが良く安心で、周りの余白が静かな印象を与えてくれます。

構図の応用編『ルールを破る楽しさ』
構図には基本ルールというものがありますが、それをあえて破ることも必要です。
ルールからはみ出した構図、独自性が生まれやすいからです。
例えば、画面の端に被写体を配置し、広大な空間を強調することで孤独感や静けさを表現することができます。

重要なのは、ルールに縛られすぎず自分の意図を反映させること。
画角はレンズで変わる視点
そして最後に『画角』。
『画角』とは、レンズが捉える視野の広さのことで、広角レンズを使えば広い範囲を写せて、望遠レンズを使えば遠くの被写体を大きく切り取ることができます。
その画角を理解することで、写真に込めるメッセージが大きく変わります。
画角ごとの特徴
画角はレンズによって影響されるので、撮りたい写真をイメージした上で画角を決めると、まとまりのある写真を撮ることができます。
イメージした画角によって、レンズを使い分けたり焦点距離を決めるといいでしょう。
画角は、次の3つに分けることができます。
広角レンズ(20〜35mm)
広角レンズは、広がりを感じさせる写真が得意とするため、風景撮影や狭い室内での撮影に向いています。
ですが、画面の端が歪むことがあるため、被写体の配置に注意が必要になります。
その歪みをうまく活用すれば、独自性のある写真を撮ることができるでしょう。
標準レンズ(35〜70mm)
人間の視野に近い画角で、30mm〜70mmのレンズは自然な印象を与えるレンズとして多くの写真家に使われています。
スナップ写真やポートレートに適していて、初心者にも扱いやすいレンズ。
当サイトでも『50mm単焦点レンズ』の魅力について書いた記事があるので、そちらをご覧ください。
望遠レンズ(70mm以上)
遠くの被写体を圧縮して引き寄せる効果があある望遠レンズ。
動物やスポーツ写真など、被写体に近づけないシーンで活躍したり、遠くから被写体をねらった圧縮効果のある写真が撮れるので、写真家によっては望遠域のレンズを得意とする人も多いでしょう。
僕は主に、50mm単焦点レンズを使用していますが、風景や少し遠目に人物を撮りたい場合は『18-200mmズームレンズ』を使います。
最後に、自分の視点を写真に込める想い
今回は僕も初心にかえって『フレーミング、構図、画角の違い』が理解できているのか確認したかったので、記事を書きました。
あなたには理解できたでしょうか?
このように写真の基本を振りかえってみると、写真の楽しみ方がどんどんに広がります。
最初はルールに基づいて撮影を楽しめばいいのですが、徐々に自分らしい表現を見つけるために、あえてルールを破ることも必要です。
それを意識すれば、写真の撮り歩きをするたびに新しい発見ができるでしょう。
この記事を参考に、身近な風景や何気ない日常を題材に撮影することで、自分だけの「魅力的な写真」を作ることができるでしょう。
オンラインサロン『雫-SHIZUKU-』12月1日開設
写真作家リョウ主催
オンラインサロン『雫-SHIZUKU-』。
公開日 : 2025年12月1日
モノクロ写真を通じて、
水面に落ちる雫のように静かに感性を育てるコミュニティ。
光と影のあいだにある静けさを感じながら、
あなた自身の“見る力”と“表現する力”を磨く。
公開前のページを見て、
オンラインサロン『雫-SHIZUKU-』の世界を感じる。


▼
▼


コメント