写真にとって大事なのは、フレーミング、構図、画角の違いを理解すること

僕が本格的に写真家を目指して約4年。それなりに写真家としての経験も積んできたし、収益につなげることもできている。

だけど、写真を撮ることに『習得した』とか『これ以上学ぶことはない』ということはなく、永遠に学び続ける必要がある。

先日僕は『2024年の写真活動を振り返る』記事を書いたが、写真技術を振り返る必要もあった。

なぜなら、人の心を揺さぶる写真にするにはまだ不完全だからだ。

もちろん、これまで撮影をさせてもらったモデルの方には感謝しているし、魅力的なモデルの方ばかりで助けられた部分も多い。

これまで撮影をさせてもらったモデルの作品は、ポートフォリオサイトで公開中。

そんな魅力的なモデルの方の世界観を、さらにストレートに伝えれるように、今一度『フレーミング』について見直してみようと思う。

フレーミング、構図、画角の違いを再確認

僕が自分の写真で見直したかったのが『フレーミング、構図、画角』の違いをしっかりと把握しているかというところである。

写真を撮るとき、「この角度が良さそう」「背景をもっと入れたほうがいいかな」と考えることがあるが、こうした考えの裏には『フレーミング、構図、画角』といった重要な要素が影響していて、この3つの言葉は似ているようで、それぞれ異なる役割を持っていて、それを使い分ける事で独自性のある写真を撮る事ができる。

僕はそれを理解しているのか、今一度、ここで見直してみよう。

フレーミングは写真の枠を決める役割 がある

まず「フレーミング」が何かを考えると、写真の中に何を入れて何を外すかを決めることでは無いだろうか。

例えば、窓越しに人物を撮影することを考えた時、窓枠そのものをフレームとして考えて、見る人の視線を被写体に集中させるように工夫するだろう。

そんなフレーミングの魅力とは、写真にストーリーをつくって映画のワンシーンおような世界観を実現することではないだろうか。

ただ被写体を写している写真より、フレーミングを意識した写真は、映画のワンシーンを切り抜いたような写真になる。

これが僕の考える『フレーミングの役割』である。

フレーミングを活かす3つのコツ

そんなフレーミングを生かすコツとは何かを考えると、次の3つの要素が見えてくる。

・自然のフレームを探す
・前景を活用して奥行き感を出す
・余白にストーリーが生まれる

では、一つずつ想像してみよう。

自然のフレームを探す

街中や自然の中には、フレーミングに使える要素がたくさんある。

例えば、公園の木々の間から覗く風景や、カフェの窓越しに撮ったスナップ写真などがその一例になる。

前景を活用して奥行き感を出す

フレーミングには、写真に奥行きを作り出す効果もあって、花や草を前景に入れて撮影することで、写真全体がより立体的に見える。


モデル : レナさん

これも『フレーミング』が生み出す写真の力ではないだろうか。

余白にストーリーが生まれる

被写体を画面中央に配置するだけではなく、あえて余白をつくることで、視線を意図的に誘導することができるし、写真を見る人がその余白に見えないストーリーを想像させる。

特にフレーミングを意識する場合は、この『余白』をどのように使うのかによって写真の印象がガラリと変化する。

このように、3つのフレーミング要素を意識した写真の例がこちら。

このように、フレーミングを工夫するだけで、いつもの何気ないシーンが特別な瞬間に変わる。

これが、フレーミングの力である。

構図は視線を導く設計図

「構図」は、写真全体のバランスや視線の流れを設計するものだと僕は考えている。

簡単に言うと、写真の中で「どこに何を配置するか」を決めることで、視覚的なルールや工夫によって、見る人の目線を自然に被写体に誘導したり、全体の雰囲気を調整したりするものである。

では、写真を撮るときにどのような構図で撮れば、写真に魅力がでるのかというと、次の3つの構図を覚えておくと、写真の魅力がどんどん上がる。

覚えておきたい構図の基本ルール

次の3つの構図が写真撮影でよく使われる構図で、バランスの良い写真を撮ることができる。

・三分割構図
・対角線構図
・日の丸構図

三分割構図

写真を縦横それぞれ3分割し、交点に被写体を置く構図だが、この『三分割構図』については、以前にも話している記事があるので、ここでは簡単にまとめておく。

これにより、自然でバランスの取れた写真が撮れるので、たとえば、夕日を撮る際には、地平線を下3分の1のラインに配置すると、美しい広がりが感じられる写真になる。

僕の写真の多くがこの三分割構図で撮られている。

対角線構図

被写体や線を対角線に沿って配置することで、動きやダイナミックな写真を撮ることができる。

特に、都会の街並みや列車の線路を撮影する場合に効果的でで、中央に人物を配置することで、視線を集中させることができるので『集中線』と言われることもある。

日の丸構図

あえて被写体を写真の中央に配置する構図で、主題を強調したいときや、対称性を活かしたいときに効果を発揮する構図。

建物を撮るときやポートレート撮影に適しているが、僕はあまり日の丸構図を多用しない。

その理由は、日の丸構図ばかりの写真を撮っていると、変化がなく退屈な写真になってしまうからだ。

僕が日の丸構図で写真を撮るときは、写真全体を見たときに三分割構図ばかりだと、これまたワンパターン化してしまうため、リズムの変化や気分転換を入れる場合に撮影した写真全体の2割ほど入れる程度。

構図の応用編『ルールを破る楽しさ』

このように、構図には基本ルールがあるが、それをあえて破ることも必要で、ルールからはみ出した構図は、独自性のある写真が生まれる。

例えば、画面の端に被写体を配置し、広大な空間を強調することで孤独感や静けさを表現することができる。

重要なのは、ルールに縛られすぎず自分の意図を反映させることだと、僕は思っている。

画角はレンズで変わる視点

「画角」とは、レンズが捉える視野の広さのことを指していて、広角レンズを使えば広い範囲を写せて、望遠レンズを使えば遠くの被写体を大きく切り取ることができる。

そんな画角を理解することで、写真に込めるメッセージが大きく変わる。

画角ごとの特徴

画角はレンズによって影響されるものになるので、撮りたい写真をイメージした上で画角を決めると、まとまりのある写真を撮ることができる。

画角は、大きく3つに分けることができる。

広角レンズ(20〜35mm)

広角レンズは、広がりを感じさせる写真が得意とするため、風景撮影や狭い室内での撮影に向いている。

だけど、画面の端が歪むことがあるため、被写体の配置に注意が必要になるが、その歪みをうまく活用すれば、独自性のある写真を撮ることができるだろう。

標準レンズ(35〜70mm)

人間の視野に近い画角で、30mm〜70mmのレンズは自然な印象を与えるレンズとして多くの写真家に使われている。

スナップ写真やポートレートに適していて、初心者にも扱いやすいレンズ。

当サイトでも『50mm単焦点レンズ』で撮影した写真を公開している記事があるので、ぜひ参考にしてほしい。

望遠レンズ(70mm以上)

遠くの被写体を圧縮して引き寄せる効果があある望遠レンズ。

動物やスポーツ写真など、被写体に近づけないシーンで活躍したり、遠くから被写体をねらった圧縮効果のある写真が撮れるので、写真家によっては望遠域のレンズを得意とする人も多い。

最後に、自分の視点を写真に込める想い

今回は僕自身、写真技術を上げるために初心にかえって『フレーミング、構図、画角の違い』が理解できているか確認したことで、そのスキルの重要性を再認識することができた。

このように写真の基本を振りかえってみると、写真の楽しみ方がどんどんに広がる。

最初はルールに基づいて撮影を楽しめばいいが、徐々に自分らしい表現を見つけるために、あえてルールを破ることも必要。

それを意識すれば、写真の撮り歩きをするたびに新しい発見ができる。

この記事を参考に、身近な風景や何気ない日常を題材に撮影することで、自分だけの「一枚」に出会えることができるだろう。

写真家リョウの額装作品
Edition coa#11

日常の中に見つけた
アートな世界。
シンプルで心にゆとりが生まれる
額装写真。

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