何のために写真家をしているのだろう?

美容師を経験し、音楽家になり、デザイナー、音響の仕事、お花の仕事、作家活動と色々な経験をしてきたけど、今の『写真家』の活動はどの仕事よりも生きがいを感じている。

写真家として仕事につながったのはつい最近の話だけど、今に至るまでに色々な撮影を経験してきた。

モデルさんに作品撮りを依頼して、『京都の写真家リョウらしい写真』を研究し、自分らしい写真を見つけたことの価値は、予想以上の宝物になっている。

時々、自分が撮影してきた写真を公開しているポートフォリオサイトを眺めていると、ふと思うことがある。

「自分は何のために写真家をしているんだろう?」

自分らしい写真を見つけたことは大きな成長と言えるが、撮影を共にしてくれているモデルさんに喜んでもらえる写真を撮れているだろうか?

僕の写真は、ほんのり暗くネガティブに見える写真が多いが、撮影を受けてくれるモデルの中には、「もっと明るくて綺麗な写真が見たい」と思う人もいるはず。

つい先日、東京でモデルの方との撮影をした時のことだが、僕は笑顔を求めず、横向きで見上げるパターンや、目を閉じるパターンの写真が多かった気がする。

だけど、写真を撮るたびに笑顔になるのって結構疲れるもので、顔の筋肉を無理やり使って口角を上げて、気分じゃないのに笑顔になるって意外とストレス。

僕自身が写真を撮られる時(記念写真や証明写真など)に「口角をあげてニッコリ笑顔になって」と言われると、ものすごいストレスになる。

「そんな気分じゃないのに笑顔になれない」とか「不自然じゃない?」って思ってしまう。

もちろん、状況によっては笑顔の写真が良い場合もあるけど、ポートレートや作品撮りをする場合は「真顔でもいいんじゃない?」って思う。

ってことは、僕の写真はカメラの前に立つ人の自然な表情を捉えているので、それはそれであり?

先日の東京の写真を見返していると、モデルさんの表情に笑顔がなくても心が惹きつけられて魅力的で僕が求めている写真ばかり。

もちろん写真の好き嫌いがあるが、僕は僕の感じた魅力を写真で表現すればよくて、僕自身が『ほんのり暗くてネガティブな写真は人らしさを感じる』のであれば、きっとモデルさんも気に入ってもらえるはず。

その証拠に、次回の撮影もOKしてくれる方が多い。

僕が何のために写真家をしているのか、その答えは、人が人らしさを感じて心が揺さぶられるシーン(物語)を写真にして届けるため

僕が写真家の魅力を感じる瞬間は、カメラの前でも自然体でいてくれる人と心が揺さぶられる写真を未来に残していけること。

将来、誰にも見られない写真になるかもしれないけど、一緒に人らしさを感じる写真を撮ってくれた事実はの残るので、少なくとも僕には価値がある写真になる。

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