ストーリーとは自分の人生そのものである

ストーリーとは、自分がこれまでに歩んできた人生そのものである。作られた物語はドラマである。

何も作られたドラマが悪いと言うわけではない。ドラマや映画のように架空の物語を作るのも大切なことだと思う。

写真とは『真実を写すモノ』と昔から言われているが、過去の出来事を記録するためだけのものではなく未来のストーリーをつくるキャンバスである。

その写真にうつしだされた世界は写真家の目指す未来か、もしくはカメラの前に立つその人が夢に見ている世界なのかもしれない。 そう考えると、この世に同じ写真なんて存在しないのではないだろうか。

明るく楽しそうな写真があれば、暗くて憂鬱な感情として伝わる写真もある。どちらの写真が魅力的なのかを決めることはできない。

僕の写真を見れば10人中10人が「暗い写真」と感じるだろう。

だけど僕にとって自分らしい写真が『ほんのり暗くて憂鬱に見える写真』で、そのネガティブな写真が人間らしさを表現する。

暗いと感じる写真でも、見る人のその時の感情がネガティブなら、その写真の世界観に共感することができるし、今の自分の状況を客観的に見ることでそこからの人生をどうやって過ごせば明るい未来がやってくるのか、自分なりのストーリーを思い描くだろう。

大事なのは今の自分をどう変えればいいのか、どんな人に会えば自分が自分でいられるのか。1億2千万人もいるこの国で自分に合う人と出会える確率はとても低いかものかもしれないが、必ず自分に合う人はこの国にいる。そう言った人たちと価値を共有し合えたらどんなに楽しいものか。

これからは夢を見るのではなく、もっと自分らしいストーリーを描いていきたい。

ストーリーは『退化と進化』が対になっているから楽しいのであって、進化し続けるだけなんて面白くない。悩み、失敗があるから人は成長して進化する。

写真撮影
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