「人は進化の前には必ず退化がある」
人は進化できる生き物でどんな状況が訪れても成長することができるが、成長の前には必ずうまくいかない状況が訪れる。
これがいわゆる『進化するための助走』ではないだろうか。
僕が写真を撮り続けている理由、それは常に進化するためであり、その時代に必要なスキルを磨き続けるため。
ここで言う『退化』とは、悩み、ストレス、間違い、失敗のようなネガティブな意味で、『進化』とは、それを改善して明るい未来に繋げるための行動をさしている。
写真というものは過去の記憶を残すためだけのものではなく、新しい未来へ繋げるためのアイデアを探すアイテムでもある。
街を撮り歩いていると、背の高いビルがたくさん並んでいるが、どのビルも人の手で建てられたもの。
もちろん機械を使って建てられてはいるが、その機械を操るのも人で、その機械を作ったのも人。
何十メートルもあるビルが、ちょっとやそっとの風で折れないのは、人と人が集まってアイデアを出し合い、その中で最も頑丈で長く残せる方法を見つけたモノ。
完成するまでにはいろいろな失敗や問題はあっただろう。それでも諦めずに長い時間をかけて作られた建物が数えきれないほどある。
ビル、マンション、家、遊園地、美術館、旅館など。そう思って街を撮り歩いていると、ビルの一つ一つがアート作品のように見えてくる。
下から見上げた時の存在感は鳥肌が立つほど美しい。
定規を使って描かれたような直線の美しさ。周りの風景を反射させて鏡のように写るビルの窓、光と影のコントラストのバランスが芸術的に感じるのは僕だけだろうか?
その姿を見ていると、自分の悩みがとても小さくて、いくらでも改善することができる些細なものに思えてくる。
街は新しいアイデアや人が創った魅力的な世界がたくさんある。
これは、人類が『退化と進化』を続けてきた証で、魅力的な写真を撮ることができるのもカメラの『退化と進化』を繰り返してきたおかげではないだろうか。
コメント