モデルに依頼してポートレート撮影をする場合、事前に撮影場所の下見をしておくことはとても大切です。
その理由は、当日になって思っていたイメージと違ったり、トラブルになる可能性が高くなるからです。
モデルさんも、せっかく楽しみにしていたポートレート撮影なのに、撮影当日にトラブルに巻きこまれてしまったら、写真家として信頼できなくなります。
モデルさんにも安心して安心して撮影に集中してもらうためにも、事前に撮影場所の下見が必要と言うわけです。
では具体的に
・なぜ下見が必要なのか
・下見で何をイメージするのか
について話したいと思います。
目次
下見をする理由1、安心して撮影に集中するため
撮影場所の下見をする一番の理由は、モデルも写真家も安心して撮影に集中するためなんです。
例えば、作品のイメージに近い雰囲気がある場所だからと言って、何も調べずにいきなりその場所で撮影をするとしましょう。
その場所はもしかしたら、撮影許可が必要な場所かもしれないし、近隣の人が撮影風景を見て「迷惑行為」だと感じてしまったらどうでしょう。
何も聞かされていない人たちは、ポージングをした人を撮影している光景を見て「商用目的」だと勘違いしたり、自分の家が写った写真がどこかで利用されてしまうと思い込むかもしれません。
そうなると、撮影中でもクレームを言いにくるかもしれません。
近隣の人からすれば、モデルさんも同じ仲間として見てしまうので、そのモデルさんの印象も悪くなってしまいます。
撮影を依頼されたモデルさんからしてみれば「撮影許可取ってなかったの?」と不信感を持ってしまうでしょう。
一度でも不信感を持ってしまうと、次回に依頼しようと思っても、断られる可能性が高くなります。
そんなトラブルを防ぐためにも、撮影場所の下見は必要なんです。
下見をする理由2、撮影許可申請の有無を知るため
屋外でポートレート撮影をする場合、事前に撮影場所の許可申請を提出しなければいけない場合もあります。
無許可で撮影をしていると、写真家だけじゃなくモデルさんにも罪をかぶせてしまう恐れもあります。
同じ時に同じ場所で無許可で撮影をしているのだから、場所を管理している人からすれば、写真家だろうとモデルだろうと関係のない事で「同罪」と言う意識が強いです。
まずは撮影したい場所があれば、その場所を管理している事務所に問い合わせをして、許可申請が必要なのかを聞く必要があります。
事前に連絡をしていると、場所によっては「自由に撮影してもらっていいですよ」と言ってくれるところも、稀にあります。
ほとんどの場所は、撮影内容を聞いて判断してもらうことが多いですが、その判断基準は次のような部分になっていると僕は思います。
【とくに許可申請がいらない場合】
・個人の練習のためのポートレート撮影
・SNSに公開する程度のポートレート撮影
・趣味として撮っているだけ
もちろん場所によっては、上記の内容でも許可申請が必要になる場合もあるので、事前に管轄する管理者に相談する方がいいでしょう。
【許可申請が必要になる場合】
・商用目的のポートレート撮影
・肌の露出が高いポートレート撮影
・コスプレでのポートレート撮影
・講習などを目的とした大人数での撮影
・機材を設置した撮影
上記の内容に当てはまる場合は、事前に管轄している管理者へ相談するのがルールです。
下見をする理由3、モデルと撮影イメージを共有するため
写真家がどんな世界観をイメージしているのかを、事前に知っておきたいと言うモデルさんもいます。
その世界観を表現するために、衣装、ヘアメイク、小物などの準備をして、どう表現するのかイメージしています。
それに、どんな場所で撮影をするのか不安になるモデルさんもいます。
例えば、人の少ない場所で撮影をする不安、室内で初対面の写真家と二人きりで撮影をする不安、車でしかいけないような場所での撮影を受ける不安。
モデルさんに安心してもらうためにも、事前に撮影場所とイメージを共有しておくことで、安心してポートレート撮影に集中してもらえます。
実際に下見をして撮影をした写真を公開
ではここで、僕が以前に大阪でポートレート撮影をした時の写真と、事前に下見をした時の写真を見ながら下見の流れを開設します。
この時僕が撮影場所に選んだ場所は、大阪府の阪急電鉄『十三〜中津』駅の横を走る176号線の高架下。
今は道路も舗装されていたり、壁の落書きが消されているようですが、昭和レトロでダークな世界観があって、アートな写真を撮りことができそうな場所です。
写真を見ると人通りが少ないように見えますが、実際は、学生が通ったり、配達する車が通ったりで、けっこう人通りが多い場所です。
下見をして良かったこと
ここの高架を『中津駅から十三駅』方面へ歩くと、淀川河川敷があって、そこまで徒歩で行くことができます。
僕の写真のメージでは、河川敷で金色の夕日を入れてシネマティックな世界を撮ることをイメージしていました。
シネマティック写真については、下記で解説しています。
だけど実際に下見に行ってみると、淀川河川敷は大規模な工事で侵入禁止になっていました。
近くに道路整備をしている交通整備をしていた人に話を聞くと、かなり長期にわたる工事になるとのことでした。
この場所での撮影はこの下見の1週間後になるため、河川敷での撮影はできないと判断して、阪急電車の線路高架下をメインに撮影することにしました。
もし下見をせずにそのまま撮影日を迎えていたら、焦って撮影に集中できなかったかもしれません。
下見をしたことで、河川敷の侵入禁止について気づき撮影イメージを変更し、モデルの方に喜んでもらえる写真を撮影することができました。
下見をしたから撮れた写真
ここで何枚か大阪の中津でポートレート撮影をした写真を紹介したいと思います。
この時に撮影をさせていただいたモデルの方は、アートな表現を持つ『itoi(@live0120)』さんです。
まだまだたくさん写真を撮らせてもらいましたが、こうやって魅力のあるモデルの方と作品撮りをすることで、写真家としてもモデルとしても価値を高めることができるんですね。
このように、ポートレート撮影をする前に下見をすることで、イメージを変更することもできるし、トラブルを回避することができます。
モデルが安心して撮影できる環境を作ってあげることで、共に価値のある写真撮影ができます。
最後に、安心できる写真家になること
今回話したことは、ポートレート撮影をする前に下見をしてモデルの方が安心して撮影できる環境を作る1つの方法です。
モデルが安心して撮影ができるのは、下見をするだけではなく、その他にもいろいろなことに意識をもっていく必要があります。
出会い目的では、良いポートレート写真を撮ることはできません。
表現のプロであるモデルの方とイメージを共有するから、価値のある写真が撮れると僕は思っています。
これからポートレート撮影を始めようと思っているなら、そう言ったことを意識しながら価値のあるポートレート写真を撮ってくださいね。
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