「レトロで古びた写真にしたい!」
レトロな質感の写真を部屋に飾ると、オシャレだしなんとなく心が落ち着く。
そんなレトロな写真は、画質の綺麗な一眼レフでも撮る方法がある。
1、オールドレンズを使う
2、ある程度暗めに撮ってレタッチで調整する
3、一眼レフの機能を活用する
中でも一番簡単なのは「2、ある程度暗めに撮ってレタッチで調整する」方法だろう。
Adobeなら『Photoshop』『Lightroom』、効率よくレトロでオシャレな写真を作りたいなら、AIが搭載されたSkylum(スカイラム)社の『Luminar Neo』だろう。
だけどその前に、自分がどんなレトロな世界をイメージしているのかを明確にする必要がある。
目次
どんなレトロ感をイメージしている?
レトロ感のある写真と言ってもゴールを明確にしなければ、自分が思うレトロな世界は表現できない。
レタッチに頼る前に、ある程度、一眼レフでレトロな下地を作ることで写真技術の向上につながるし独自性のある写真を作ることができる。
それが、プロの写真家としての価値になる。
ではまず、どんなレトロな世界を表現したいのかをイメージすることから始めよう。
写真家リョウがイメージするレトロな世界
例えば、僕が意識しているレトロな世界は、洋画の『幻影師アイゼンハイム(引用元 : 映画.com)』のような質感である。
画面全体がほんのり暗く、画角の四隅に薄い黒の円形フィルターを重ねて、古いフィルムの質感を表現している。
このように、自分がイメージしてるレトロな世界に近いものや「この質感のマネをしたい」と思える写真を参考にするのがいちばんの近道である。
僕の場合は、映画や好きな写真家の質感をベースにしている。
見本の質感を分析する
参考にするレトロな質感を見つけたら、その質感について分析してみよう。
分析する方法として、次の項目を意識して考えると、だんだん「レトロ感」を出す方法が見えてくる。
ホワイトバランスは赤より青より?
ホワイトバランスとは『色温度』のことで、写真に赤味を出したり青味を出したりするための設定項目。
写真を撮った後、Photoshopでもホワイトバランスを細かく調整することができるが、できることなら一眼レフの設定で決める方が撮影技術は向上する。
一眼レフのホワイトバランスの設定について、詳しく解説している記事はこちら。
絞り(F値)は絞りか開放か?
『絞り(F値)』とは、カメラに光を取り込む量を調整する設定で、「絞り気味で」とか「開放で」のような言い方で使われることが多い。
「絞り気味で」と言われたら、F値の数字を大きくする。(F8、F11など)、「開放で」と言われたら、F値の数字を小さくする。(F1.8やF2.8など)
最初は複雑に感じるが、撮影に慣れてくると瞬時に判断することができる。
F値について、次のように覚えておくといいだろう。
「F値の数字を大きくする」→光を取り込む量が少なくなって暗くなり、背景のボケ感がなくなる。
「F値の数字を小さくする」→光を取り込む量がい多くなって明るくなり、背景のボケ感が強くなる。
どれくらいのボケ感が目安なのかは、その時の環境や被写体と背景の距離によって違うので、実際に撮影して覚えるしかない。
参考にしているレトロな質感をイメージして、背景にどれくらいのボケ感があるのか、明るさはどれくらいなのかを研究してみよう。
明るさはどれくらい?
大体のレトロな質感は『ほんのり暗め』になっていて、明るい部分と暗い部分の差がそれほど強くないことがわかる。
明るさの調整は、一眼レフの「この設定を調整しよう」と言いきることが難しい。
なぜなら「シャッタースピードを遅くしたり、絞りを開放(数字を小さく)にしたり、ISO感度を上げたり」など、色々な組み合わせがあるからだ。
一般的には、シャッタースピードと絞りの組み合わせで明るさを調整する。
できればISO感度は「ISO/100〜400」あたりで撮るするが理想だが、暗さが物足りないと言う場合は、ISO1600まであげてもいいだろう。
参考にしているレトロな写真の明るさを研究していくうちに、どこを調整すればいいのかがだんだん見えてくる。
どんな加工をされてる?
見本にしている写真をじっくり見ていると、どのような加工がされているのかがわかってくる。
と言っても、写真加工(レタッチ)に慣れていなければ、どんな加工がされているのかがわからないだろう。
なので、下記に見てほしいポイントをまとめてみた。
・コントラストはどれくらいか
・フィルターはかけられているか
この3つを軸に意識して見てほしい。
ノイズがどれくらい出ているのか
最近の一眼レフは、とにかく画質が良くモデルも喜ぶほど綺麗で明るい写真が撮れるようになってきた。
もちろん、写真家の技術もそれに合わせて上がってきている。
だだ、古びたレトロな写真にする場合は、一眼レフの設定だけでは難しく、Adobeの『Photoshop』や『Lightroom』を使ってレタッチをすることが多い。
映画の質感のように劣化した感じに加工する方法について解説している記事はこちら。
コントラストはどれくらいか
コントラストの強弱は一眼レフの設定でもできる。
例えば、Canonの一眼レフの場合は、ピクチャースタイルの「コントラスト」を調整すれば、ある程度は古びた写真のような感じにすることができるが、味付け程度。
下記の写真は、一眼レフの設定だけでレトロ感を出した写真。
本記事のサムネイル画像にも使用しているが、この時の一眼レフの設定は次のような感じだ。
・絞りの数字を小さめで開放気味「F2.8」
・ISO / 100、シャッタースピード「1/500」
そうすることで、画角の周りにほんのり黒いぼかしフィルターの効果ができていて、レトロ感が出る。
もちろん、その時の環境や光の強さによって設定は違ってくるので、何度もテスト撮影をして感覚をおぼえるしかない。
最終的には、Photoshop、Lightroom、Luminar Neoで味付けすると、レトロでオシャレな写真になる。
フィルターはかけられているか
SNSなどで聞き慣れていた「フィルター」。
フィルターとは、色調変化やモノクロなど写真に加工を施す機能のこと。
現在はスマホでも簡単にフィルターをかけることができるが、レタッチソフトと比べると自由度は低くなる。
例えば、下記の「VSCO(ヴィスコ)」と言うアプリも有名で、ワンクリックでオシャレなレトロ感のあるフィルターを適用できるものもある。
VSCOは無料でも使えるが、フィルターの種類に限度がある。
有料版にするとフィルターの数も増やせる。
だけど有料版にするなら、PhotoshopやLightroomやLuminar Neoを購入した方がお得だ。
プロの写真家を目指す場合は、レタッチソフトを持っておけば仕事につながりやすくなる。
分析したら練習を重ねるのみ
「レトロな世界」を分析することができたら、一眼レフの設定をいろいろ変えて撮ってたり、アプリで加工してみたりを何度も繰り返す。
偶然、一眼レフの設定だけでレトロ感が出る場合もあるが、最終的にレタッチソフトで調整することになる。
その場合にオススメのソフトがこれまでに挙げた、Adobeの『Photoshop』『Lightroom』、Skylum(スカイラム)社『Luminar Neo』である。
上記の3つのレタッチソフトは、プロの写真家やデザイナーなどが使用している、定番の写真編集ソフトである。
それにレタッチのスキルを身に付けることで、写真の仕事以外にもデザインに関わる仕事にもつながる。
レタッチソフトを使用することで、目指しているレトロ感のある写真に加工することができるだろう。
最後に
今回は一眼レフでレトロ感を出す設定方法について話してきた。
何もないところからレトロ感のある写真にすることは難しく、まず参考にしたい物を見つけて分析し、それを目標にする方が写真の技術はどんどん上がる。
プロの写真家の質感を分析してもいいし、お気に入りの映画の質感を参考にしてもいいだろう。
何か目標がある方がモチベーションも上がるし、その分析の楽しさが、さらに新しい質感を求める気力にもつながる。
写真家に大切なことは、思い描いている世界をどのように写真に落とし込めばいいのかを常に追求し、自分らしい世界を表現すること。
そして、プロの写真や好きな世界を再現すてみようという意識をもつ、つまり「TTP」を意識すること。
ちなみに「TTP」とは「徹底的にパクる」と言う意味で、マーケティング業界でよく使われている言葉。
成功した写真家の写真を分析して、その世界観を「徹底的にパクる(TTP)」。
ただここで間違えてはいけないのが、成功した人の技術を丸々パクるのではなく、それを参考に自分らしい要素を掛け合わせると言うこと。
ただパクっただけだと、クレームになって写真業界から追放されてしまうので、あくまでも参考程度にパクること。
そうすれば、オリジナリティーのある写真作品へとつながり、ファンを増やすことができるだろう。
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