【雨の日の写真テクニック】雨にしか撮れないエモい写真で心を惹きつける

一眼レフをもつと、雨の日のエモい写真を撮りたくなってくる。

雨の日は、晴の日とは違ったシネマティックな写真を撮ることができるので、雨の日の撮り歩きをしている僕からすればオススメしたいシチュエーションだ。

ちなみに『シネマティックな写真』とは、映画のワンシーンを切り取った、ストーリーを想像したくなる写真のこと。

今回は、僕が雨の日に写真を撮る時に意識している写真撮影方法をシェアしようと思う。

雨が降ってるからと言って憂鬱にならずに、気分転換に写真を撮りに行くのもストレス解消につながる。

その写真をSNSに投稿し続ければ、『いいね』や『フォロワー』が増えるかもしれない。

雨の日の『エモい』を撮る

せっかく雨が降ってエモい世界になっているのに、無理にその世界観を崩してしまうのは勿体ない。

僕が雨の日に感じる世界観は、次のような要素が入っているもの。

・ほんのりと暗い風景
・反射する光がないから風景が綺麗に見える
・憂鬱な感情を表現しやすい
・雨の雫がさらにドラマな雰囲気を演出してくれる

これは雨らしい写真を撮る上で必要な要素だと僕は思っている。

それでは簡単にご説明しよう。

ほんのりと暗い風景

雨の日は太陽が雲に隠れてしまうため、周りの風景が晴の人は違ってほんのり暗くなる。

だけどこ、の『ほんのり暗い感じ』をうまく使えば、映画のワンシーンのようにシネマティックな写真を撮ることができるのである。

ストロボを使わずに、カメラの設定も無理に明るくしようとしなくてもいい。

僕はいつも適正露出を『±0』や『−1』にして、あえてその空間の明るさを再現するように意識している。

もちろん人物を撮るときは顔が暗くなりすぎないように気をつけているが、雨の日は晴の日とは違って全体的に暗めの写真になりやすい。

だけど、そのほんのり暗めが雨らしさを表現できて心が揺さぶられやすくなるのである。

反射する光がないから風景が綺麗に見える

雨の日は太陽が雲に隠れてしまうため、強く反射する光がない。

例えば、ビルの窓に反射する光、標識に反射する光、車の窓に反射する光、鏡に反射する光がないため、風景の輪郭や色を綺麗に撮ることができる。

写真家リョウ 東京駅
撮影 : 写真家リョウ

人物を撮影する場合も、晴れの日だと被写体の正面からの太陽だと眩しそうな表情になってしまうが、雨の日だと撮る角度を意識せずに自然な表情を撮ることができる。

写真家リョウ 東京写真撮影

憂鬱な感情を表現しやすい

雨の日になると、気持ちがネガティブで憂鬱になってしまうことも多い。

だけどその憂鬱な感情が人間らしさを出してくれるので、人物の自然な表情を撮りたいときは効果的だ。

雨の日写真撮影

雨の日に人物を撮影する場合は、撮る側が集中できる環境で撮影することをオススメしている。

例えば、下記の記事のような環境は撮る側にとって集中できる環境になるだろう。

雨の雫がさらにドラマな雰囲気を演出してくれる

雨の日の撮影の醍醐味と言ったら、雨の雫を効果的に使えるところにある。

透明傘についた雨の雫越しに人物や風景を撮るとアートな写真になるし、木の枝から落ちる雨の雫を撮れば幻想的な写真になる。

【雨の雫越しの人物写真】
雨の雫越しの人物写真

【木の枝から落ちる雨の雫】
木の枝から落ちる雨の雫

さらに雨が降っている時の街の風景を撮ると、心が揺さぶられる写真を撮ることもできる。

このように雨の日に写真を撮ることで、さらに心が惹きつけられる写真になる。

雨の日の写真テクニック5つ

では僕が雨の日に撮った写真を参考に、雨の日の写真テクニックについてご紹介しよう。

僕もまだまだ雨の日の表現を研究中だが、中でも「エモい写真が撮れた」と自画自賛できた写真を紹介しよう。

僕はいつも『18-200mmズームレンズ』を使って雨の日の写真を撮りに行くが、短焦点レンズでも標準レンズでも、雨の日のエモい写真を撮ることはできる。

ズームで雨の雫を撮る

雨の日の写真
焦点距離 / 135mm

上記の写真は、18-200mmズームレンズで焦点距離を『135mm』にして撮影した写真。

被写体からは少し離れるが、135mmにすることで背景のボケ感と雨の雫にメリハリがついてアートな写真を撮ることができる。

葉に落ちた雨粒をアップで撮る

雨の日の写真
焦点距離 / 135mm

この写真も、先ほどの雨の雫の時と同じ焦点距離『135mm』で撮影した写真。

このような写真を撮るポイントは、高すぎず低すぎないアングルで、手前の葉を少しぼかして狙った部分にピントを合わせて撮ること。

下記のように、手前のぼかしたい葉を入れすぎたり、狙った部分のピントが甘いと、何を見せたいのかわからない写真になってしまうので気をつけよう。

【失敗例】

雨の日は周りが薄暗いからと言ってシャッタースピードを遅くしてしまうと手ブレを起こしてしまうので、最低でも『1/125』を目安にしてISO感度で明るさを調整すること。

シャッタースピードについて解説している記事はこちら。

暗い空を森越しに撮る

雨らしさを撮るコツは、透明傘や雨の雫ばかりではない。

雨が降っていない瞬間の空をねらって真上を見上げて撮ると、不思議な写真になる。

雨の日の写真

この場合も無理に明るく撮ろうとするのではなく、空の色がその時のほんのりグレーっぽい感じの方が雨の日らしさを感じる。

桜の花も雨の日らしく撮る

雨の日の写真

通常なら明るく綺麗に撮りたい桜の花だが、雨の日の憂鬱な感情を表現するために、ほんのり暗めで撮るのも時にはいいもの。

音楽で例えると、明るい曲(メジャーとか長調と言われる曲)の方が気分は嬉しくなるが、暗い曲(マイナーや短調と言われる曲)の方が心が揺さぶられやすいと言われているのと同じ効果がある。

写真もそれと同じで、明るい写真は嬉しい気分になりますが、暗めの写真の方が、人間らしい弱い部分が表現できて共感されやすく心が揺さぶられる

傘についた雨粒を撮る

雨の日の写真

雨の日らしさを出すには、雨粒のついた傘を撮るのも効果的だ。

この撮り方は、僕が雨の日にモデルを撮影する時によく使う方法だが、雨粒にピントを合わせて人物をぼかす方法と、人物にピントを合わせて雨粒をぼかす方法がある。

人物にピントを合わせる場合、透明傘の雨粒が人物の顔に重ならないようにするのがコツ。

レタッチで人物の顔に重なっている雨粒を除去してもいいし、布で軽く雨粒を拭いてもいいが、あくまでも自然な雨粒を演出すること。

この5つを意識するだけで、雨の日の写真の魅力を上げることができる。

最後に

というわけで、雨の日の写真撮影テクニックについて話してきた。

もちろん今回のような『ほんのり暗い写真』ばかりが雨の日らしい写真ではなく、明るい写真でも雨の日らしい写真にすることはできるだろう。

雨が上がった後に晴れた空と街を撮ったり、虹を撮ったり、さっきまでさしていた傘をたたんで、落ちた水滴を効果的に使ったり、周りを探せば雨らしく表現できるものが、たくさんある。

ぜひ気分転換に、雨の日の撮り歩きをしてみてほしい。

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