雨だから撮れるシネマティック写真 | 雨の日のポートレート撮影は写真技術が上がる

やっとイメージに合うモデルの方に依頼したのに、ポートレート撮影をする日が雨の日になってしまったという経験はありませんか?

だけど、ポートレート撮影の当日が雨だからと言って諦める必要はありません。

なぜなら、雨の日だから撮れる人間味のある写真を撮るチャンスだからです。


[ Canon EOS 7D MarkII  ƒ/2.8  1/60  85mm  ISO400 ]

上の写真のようにトンネルや高架下を使えば、傘を差さなくてもいいしカメラが濡れる心配もなく、ポートレート撮影に集中できます。

雨の日というのは不思議と感情が現れやすく、モデルさんの自然な表情を引き出しやすいんです。

雨の日になると、なぜか寂しい気分になってしまいますよね。

せっかくポートレート撮影をしてくれるモデルさんに、少しでも楽しんでもらおうと無理に笑顔を引き出そうとしてしまいます。

だけど、笑顔だけが価値のあるポートレート撮影ではないんですね。

モデルさんが一瞬表に出す自然な表情を抑えるのも、写真家としての技術になります。

カメラ目線ばかりを撮るのではなく遠くを見てもらったり、少し疲れた表情を撮ったり。

ストーリーを感じる価値のあるシネマティック写真を撮るには、なるべく自然体な表情を撮ることを意識しています。

雨の憂鬱な感情を撮ればいい

雨の日になると憂鬱だと思う人は多いはずです。

雨の日には雨の日らしく、憂鬱な感情を撮れば人間味のあるシネマティック写真になるんです


[ Canon EOS 7D MarkII  ƒ/2.8  1/50  85mm  ISO100 ]

雨が小降りになってきたので、モデルさんに少し濡れても良いか確認して、傘を差さずに外でポートレート撮影をしました。

僕がポートレート写真を撮影をするときに意識していることは、できるだけモデルさんの自然な姿を撮影すること

たとえば、パーマをあてていたり少し癖のある髪質のモデルさんの場合、あえて髪を整えずに無造作で動きのある感じを出してもらいます。


[ Canon EOS 7D MarkII  ƒ/5.0  1/40  85mm  ISO400 ]

極端に言えば、上の写真のような感じの方が僕は写真に動きが見えてきます。もちろん、モデルさんに無造作にかき上げてもらって動きのバランスを見ます。

僕の場合は美容師をしていた過去があるので、モデルさんの許可をいただいた場合に少しだけ動きを調整させてもらうこともあります。

美容師やグラフィックデザイナーをしていたことで、今それが役に立っています。

いくら過去に美容師を経験していたからと言っても、基本的にモデルさんに触れることはNGだと思っています。

何度か撮影をさせてもらうことができているモデルさんで、許可をいただいた場合のみヘアスタイルを調整しています。

基本的には、モデルさんが安心して撮影をしてくれるように心がけることが大切です

初めてのモデルさんにポートレート撮影を依頼する場合、モデルさんにとっては会ったこともないカメラマンを警戒するのは当たり前のこと。

その警戒心を和らげるために、

  • どんな写真を撮影するのか
  • どんな衣装をイメージしているのか
  • どこで撮影をするのか

など、事前にイメージを伝えてきます。


[ Canon EOS 7D MarkII  ƒ/5.0  1/20  85mm  ISO400 ]

雨の日でも基本は同じで、お互いが楽しくポートレート撮影ができて価値のある写真を撮ることが、モデルさんの安心にも繋がります。

安心してもらえることで、次回のポートレート撮影も快く引き受けてもらえます。

シネマティック写真を撮影する場合でも、安心されなければ自然な表情を撮ることはできません。


[ Canon EOS 7D MarkII  ƒ/5.0  1/40  85mm  ISO400 ]

雨の日でも諦めずに、写真家のイメージを共有することで、ストーリーを感じるシネマティック写真を撮ることができます。

ぜひ雨の日のポートレート撮影で、写真にストーリーをつくってみてください。

雨の日をシネマティックに撮れるのは人物写真だけではなく、風景でも映画のようなシーンのように撮ることができるので、チャレンジしてみてください。

今回のモデル紹介

今回の記事の中に登場したモデルの方は、『海国りん(@mikunirin_)』さんです。

役者を目指していることもあって、撮影をするたびにいろいろな表情を見せてくれます。

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